インターステラテクノロジズによる小型ロケットの打ち上げ失敗は民間企業によるロケット開発の難しさを改めて示した。同社は平成32年にも超小型衛星の打ち上げビジネスに参入する戦略だったが、遅れは避けられない。連続失敗で技術の未熟さを露呈した形だ。
初号機は機体の強度不足が原因だったが、今回は心臓部のメインエンジンで不具合が起きた。発射後1秒で圧力が低下し、いったん回復したが4秒後に再び低下して機体が落下。これまでの燃焼試験では経験していないトラブルという。
このエンジンは、米アポロ計画の月面着陸船が使った安価で信頼性の高い技術を採用。初号機では順調に作動しただけに、原因究明が難航する懸念もある。
日本の宇宙開発は国主導で発展してきたが、政府は法整備などで民間の参入を支援。昨年8月にキヤノン電子などが小型ロケットの開発会社を設立するなど、宇宙ビジネスへの期待が膨らむ中での失敗となった。
世界では民間参入が相次ぎ、米国ではスペースX社が国際宇宙ステーションへの物資補給を実施。追い上げる中国も今年5月、ベンチャーが小型ロケットの初打ち上げを行っており、日本の出遅れが目立つ。
宇宙ビジネスはロケットの技術革新や超小型衛星の需要拡大を背景に市場拡大が見込める一方、ベンチャーが各国に乱立し、競争は激しさを増しつつある。
北海道大の鈴木一人教授(国際政治学)は「まだ競争は団子状態で、巻き返しの可能性は十分にある。ただ、失敗が重なって投資家が『宇宙ベンチャーは駄目だ』という心理になると、資金集めの難しさが増す」と指摘する。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180701-00000004-san-sctch
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