わが家では、ここ1年で「スマートホーム化計画」が進みました。最初は夫の興味で始まったのですが、実際に暮らしてみて、育児にとても役立つと感じています。今回は子育て中のご家庭に向け、IoT家電を導入するメリットを「母目線」で紹介したいと思います。
●連載:シリコンバレー式「時短育児術」
子育てに関する負担をITで解消する「Baby Tech」。シリコンバレー在住の女性筆者が、“母目線”でぐっときたテクノロジーを紹介していく。
●著者プロフィール
近藤奈都美(こんどう・なつみ)
日本でIT専門商社に勤務した後、結婚を機に渡米。現在はシリコンバレーで一児の母として主婦業を行う一方、テクノロジーを使って効率的な子育てを目指す“母目線”の情報メディア「Babyful.jp」を運営するなど、「時短育児」を軸に情報発信している。
(本記事は、「Babyful.jp」に掲載された記事を一部加筆・編集して掲載しています)
現在、わが家でIoT(モノのインターネット)化しているのは、玄関の鍵、照明、空調、空気清浄機、掃除機、テレビの6製品。操作にはスマートフォンとスマートスピーカーを使います。リビングには「Amazon Echo Plus」、別の部屋には「Amazon Echo Dot」を設置しました。
●スマホが玄関の鍵になるスマートロック
子育て中は想定外のこともよく起きるので、特に外出の準備をしている時は焦ってつい鍵を閉め忘れたり、閉めたかどうか覚えていなかったり……なんてミスが多くなりがち。帰宅時も、子どもや荷物で手がふさがっていることがよくあります。また、授乳や寝かしつけなど、その場を離れることが難しいことも。そんな時に活躍するのが、鍵の開け閉めをスマホから操作できるスマートロックです。
私が使用しているのはCandy Houseの「SESAME」。ドアに付いている鍵の室内側部分に被せるだけで家の鍵をIoT化できる、賃貸住宅にも優しい製品です。SESAMEを使うとスマホで鍵を開閉できる他、鍵を閉めてあるかどうかも画面で確認できます。例えば帰宅時に大荷物の中から小さな鍵を探したり、子どもや荷物を抱えたまま小さな鍵穴に鍵を差し込んだりといったストレスを感じることがなくなります。
さらに便利なのは、「解錠後1分で施錠する」といったオートロック設定ができること。おかげで鍵の閉め忘れを心配することがなくなりました。SESAMEだけでもスマホとBluetooth接続して利用できますが、別売りのWi-Fiアクセスポイントを導入すれば、インターネット経由で遠隔地からでも操作できます。
また、SESAMEでは必要な時にスマホアプリを使って他の人とデジタルな鍵をシェアできます。あらかじめゲストに鍵をシェアしておけば、外出中にゲストが到着しても外で待たせてしまうことはありません。
ただ、SESAMEの電池が切れた時やごくまれにある接続が悪い時など、スマホ頼みだと家に入れなくなってしまう可能性があります。このため、保険として通常の鍵も持っていた方が安心です。
●照明のスマート化で夜更かししにくい環境作り
照明にはPhilipsのスマート電球「Philips Hue」とTP-Linkのスマートプラグ「HS105」を使用しています。HS105はWi-Fi接続に対応していて、本体をコンセントに挿して家電をつなぐと専用アプリ「Kasa」から電源のオンオフが可能になります。
アメリカでは天井から全体を照らす照明があるのはキッチン、ダイニング、浴室くらい。他の場所では主に間接照明を使いますが、使うたびに電源を入れるのは面倒。そこで一部は電球をPhilips Hueに置き換え、他はHS105を使ってKasaから操作しています。家中の電球をPhilips Hueにすると高くつくため、通常の電球とスマートプラグも併用することにしました。
Philips HueとHS105はそれぞれ専用のスマホアプリで操作できますが、各照明に名前をつけておけば、Echo PlusやEcho Dotに「××の電気をつけて」と言うだけで点灯します。子どもの相手をしながらでも操作できるので助かっています。
また、どちらも設定した時間に自動で照明をつけたり消したりするスケジュール設定機能を持っています。現在カリフォルニアの日の入り時刻は20時を過ぎているので、わが家では19時半になると照明がつくように設定。これが息子のベッドタイムが近づいている合図にもなっています。加えて「明るさのコントロールも行えるPhilips Hueは、刺激が弱い暗めの照明にしておく」「午前0時には全ての照明が消えるようにする」など、家族全員がしっかりと睡眠をとれる環境を作りました。
●空調の自動化で赤ちゃんも安心してぐっすり
空調のコントローラーは、Google傘下のスマートホーム企業であるNest Labsの家庭用サーモスタット「Nest Learning Thermostat」に置き換えました。
自分好みの温度を時間ごとに記憶させておくと、設定温度より暑くなったら自動でエアコンがオンになります。風呂上がりの時間になると少し部屋の温度を下げるように冷房が入るのに毎日感心しています。
赤ちゃんが夜中に起きてしまうのは、部屋が暑すぎるなど環境に起因することも多いそうですが、これなら常に快適な空調に調節してくれるので家族の安眠にも一役買ってくれていると思います。
Nest Learning Thermostatは日本ではまだ販売されていませんが、アメリカでは購入すると無料でGoogle Home Miniがもらえるそうです。
●掃除や空気清浄もスマホから指示するだけ
子どもが自分でものを食べたり、歩いたりできるようになった途端、毎日家の中がびっくりするほど汚れるようになりました。そこで欠かせない存在になったのがiRobotのロボット掃除機「Roomba」(ルンバ980)。
ボタンを押さなくてもスマホやスマートスピーカーからの指示で動かせるので、外出時に使用すれば掃除機を怖がる子どもがいても気兼ねなく掃除できます。掃除をしたエリアとまだしていないエリアもスマホアプリで確認できます。指定した曜日に自動で掃除をするようスケジュールを組むことも可能です。
空気中のホコリは、Dysonの空気清浄機能付きファンヒーター「Dyson Pure Hot+Cool Link」で対策。空気中にたくさんホコリがあると子どもがアレルギーになってしまうこともあるそうですが、この製品は家の空気の状態をスマホで確認できます。空気清浄機能を使うだけでなく、窓を開けて空気を入れ替えるといったアクションも起こしやすくなりました。
●テレビには「Chromecast」
テレビにはGoogleのストリーミングデバイス「Chromecast」を接続しているので、普段スマホで見ている動画や写真を大画面で見ることができます。
なるべく子どもにはテレビを見せないようにしたいと思っているのですが、苦手な歯磨きは、YouTubeの歯磨き動画を見せることでなんとか磨かせることができています。子どもがついつい触ってしまうリモコンを使わず、スマホから操作できるのもうれしいところ。子どもが寝た後、動画を見ながらヨガやストレッチをするのに重宝しています。
●育児中の親を助けるスマートホーム
家電操作で活躍しているスマートスピーカーは、BGMを流したり、天気を確認したりとさまざまな場面で使用しています。
子どもが小さいうちは、抱っこをせがまれて家の中でも両手がふさがりがち。しかも子どもはあちこち動き回るので、音声でコントロールしたり、離れた場所からアプリで操作したりといったことが可能なスマート家電にはとても助けられています。デバイスごとのリモコンが必要なくなり、操作から詳細な設定まで、スマホアプリで対応できるのもうれしいポイントです。
子どもが大きくなって音声操作ができるようになった時に「好き勝手にテレビを見る」といった使い方をしないよう気を付けなければと思っていますが、スマートホームは育児中のご家庭にもおすすめです。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180701-00000013-zdn_n-sci
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