元静岡アナが、女優デビューを果たす。3月末までDaiichi-TV(静岡市)のアナウンサーだった山田桃子(27)が、8月6日放送のフジテレビ系「痛快TVスカッとジャパン」(月曜午後7時57分)で再現ドラマに出演。
小栗旬、綾野剛、木村文乃らが所属する芸能プロダクション「トライストーン・エンタテインメント」の女優として第1歩を踏み出した。
「収録は7月初旬でした。現場にいて、何とも言えない幸福感がありました。前日は緊張で眠れませんでしたが、『ようやくここにいる。居たいところに立っている。始まったんだ。幸せだ』という思いでいっぱいになりました」
幼少期から、表現することが好きだった。バレエを習い、大学時代は読者モデルも経験した。ドラマ、映画、舞台鑑賞が好きで、役者に憧れた。一方で、「経験もないのに役者になるなんておこがましい」と思い、
就職活動をする中で、アナウンサーの道を選択。入社したDaiichi-TVでは、持ち前の明るいキャラクターですぐに人気アナになった。
3年目からは、他局のアナと結成した静岡広報アイドルグループ、4siz(フォーシズ)として活動。情報バラエティー番組「まるごと」では、毒舌キャラの一面も見せていた。
「5年間、さまざまな経験をさせていただき、とても充実していました。ただ、役者への思いは消えませんでした。インタビューをしていても、舞台を見ていても、『どうして自分は、向こう側にいないのか。でも、この道は自分で選んだんだよな』と、思いを巡らせていました」
そんな中で、大学時代の知人に再会し、役者への思いが捨てきれないことを打ち明けた。知人は、その思いをくみ、旧知であるトライストーン・エンタテインメントの社長を紹介することを約束したという。山田は、このチャンスを逃さなかった。
「もう、1年以上前のことです。『今度、紹介する』と言われ、私は『今度じゃなく、今日に』とお願いしました。『今度はない』と思ったので(笑い)。とても強引でしたが、社長に会わせていただき、熱意をお伝えしたところ、事務所の演技レッスンを受けることになりました」
静岡で仕事をしながら、休日に上京し、レッスンを受ける日々が始まった。ある日、社長の前で演じる機会があり、かけられたひと言で覚悟が決まった。
「『本当に演技は初めてなの?』と言われました。初対面の時から、社長をとても信頼できる方だと思っていたので、『才能を感じない』と言われたら、完全に役者の道をあきらめるつもりでした。でも、そうではなかったので、前に進むことができました」
3月末、Daiichi-TVを円満退社。「まるごと」の最終出演日には、視聴者に「役者の道に進みます」と伝え、東京でひとり暮らしを始めた。演技レッスンを受ける日々は続いているが、正式に事務所の所属女優になり、
「スカッとジャパン」で初仕事。女子会にわざと遅れて来て、飲食代を払おうとしないパート仲間(濱田マリ)について、投稿した女性役を演じている。さらに、17日放送のテレビ東京「警視庁ゼロ係」(金曜午後8時)では、アナウンサー役で出演している。
「『スカッと』では、ナレーションもありましたが、難しかったです。アナウンサーで経験してきたものとは違い、役の当事者としての語りですから…。『警視庁ゼロ係』では、死後1カ月たった遺体を発見する報道アナウンサーの役です。
『変なにおいがする』というセリフもありましたが、その状況、変なにおいをイメージするために、ネットで調べるだけ調べましたが、現場には、それらを超えるリアルな空気感があって、驚きました」
ただ、走り始めたばかり。10代から活躍する女優も多い中、27歳からのスタートで、焦りはないのか。
「ないと言えばウソになります。ただ、今はアナウンサーをしてきて、良かったと思っています。人を立てることの大切さを教わったからです。
この世界ですごい方たちは、人としての魅力を感じます。自分もそうならないとダメだと思っているので、静岡の温かさに触れた日々を決して忘れません。今の環境も当たり前だと考えていませんし、地道に1つ1つを積み重ねたいと思っています」
今も静岡県民への感謝を抱く山田は、「スカッとジャパン」の現場で、静岡県出身のエキストラに声を掛けられたという。
「その方は『まるごと』を見ていたそうで、『頑張ってください』と言っていただきました。緊張の中で、素直に『あ~、うれしい』と思いました。
静岡で築いたものをなくして、東京に出てきたつもりですが、今回、お世話になった方々に出演が決まったことを報告すると、ものすごい勢いで『おめでとう。良かったね』と返信がありました。『私は1人じゃない』と思わされました」
アナウンサーから転身した女優は、故野際陽子さんをはじめ、山村美智、八木亜希子らで、最近では、加藤綾子がTBS系連続「ブラックペアン」に出演して話題になった。
ただ、ローカル局のアナウンサーからの転身は異例だ。成功するには運も必要だが、山田は、この場所で精進を続ける。【柳田通斉】
◆山田桃子(やまだ・ももこ)1991年(平3)4月1日、神奈川県横須賀市生まれ。学習院女子大国際文化交流学部国際コミュニケーション学科卒。在学中にファッション雑誌「Ray」の専属読者モデルとして活動。家族は両親、弟。158センチ。血液型0。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180805-00289987-nksports-ent
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