今春、お笑いコンビ・千鳥が『千鳥の路地裏探訪』(テレビ朝日系)をスタートさせ、キー局における“街ブラ”番組に参入した。”街ブラ”というジャンルは、タレントが街をぶらぶら歩きながら地元の人々とふれ合い、隠れたスポットや美食を紹介する
“ユルさ”がウリ。だが最近は、さまぁ~ずにマツコ・デラックス、有吉弘行らトークに定評のある実力派が多いことに気づく。なぜこの“ユルい”コンテンツに猛者が集うのか?
■さまぁ~ずにマツコ、有吉ら実力派によるロングラン多数
街歩き番組は現在も『ブラタモリ』『鶴瓶の家族に乾杯』(ともにNHK総合)、『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』(テレビ東京系)、『火曜サプライズ』(日本テレビ系)、『もしもツアーズ』(フジテレビ系)、『ごぶごぶ』(毎日放送)、『じゅん散歩』(テレ朝系)など各局で多数放送されている。
その金字塔の一つ『モヤモヤさまぁ~ず2』(テレ東系)は「何があるか分からずモヤモヤする」マイナーな街をさまぁ~ずが訪れ、「モヤモヤ」を解消するのがコンセプト。当初は深夜枠だったが、
“世界一ドイヒーな番組”をキャッチコピーに、徹底したマイナー感とユルさで支持を得て日曜ゴールデンに昇格、12年目を迎えた。
有吉弘行の『ぶらぶらサタデー・有吉くんの正直さんぽ』(フジ系)も足掛け7年目に突入。一般人相手に有吉の“正直”な(!?)毒舌が冴え渡り、ロングランに。マツコ・デラックスの『夜の巷を徘徊する』(テレ朝系)は今年4年目。
夜の酒場で会った女性たちに人生相談されることも多く、女性たちとの対話をまとめた特集回もある。
例外はあるが最近は、トークに定評のある実力派タレントが“街ブラ”番組を担当していることが多い。
■各局で盛況も「撮れ高」は未知数 “街ブラ”は博打コンテンツの一面も
“街ブラ“番組について「元々は逃げのコンテンツだった」と話すのはメディア研究家の衣輪晋一氏。「某番組制作関係者から伺ったことがあるのですが、
バラエティのネタが枯渇した昨今、ノウハウもあって作りやすく低予算で制作できる“街ブラ番組”に注目が集まった。安定した視聴率も期待できるため増加しているのです」(同氏)
だが“街ブラ”には、「撮れ高」が予想できない欠点がある。体当たり系ロケやグルメ系ロケは、あらかじめ訪れるスポット、目玉料理、イベントなどの流れで撮影すればいいが、純粋な“街ブラ”では、
偶然発見した店を訪ねたり、地元民と触れ合ったりすることもあり、その際に絡むのも一般人であることから、面白くなるか「未知数」。ハネるかもしれないチャンスもあれば、大コケのリスクもある。
「そこで、何かしらを“撮れ高”に昇華させるタレントの技量が重要に」と衣輪氏。「大半の番組は台本が存在しますが、番組によっては骨組みだけで、記されるやり取りも単なる想定であることが多い。
なので『KinKi Kidsのブンブブーン』(フジ系)の堂本剛さんのように敢えて台本と進行は堂本光一さんに預けるなど場の空気を大切にされる方も多くいます」(同氏)
ほかマツコはその巧みな話術で、「深夜の巷」にいる素人たちとの対話を電波レベルに引き上げる。有吉は散策道中で出会った一般人や店舗を「愛ある毒舌」でいじることで
「日常の街」を「面白みのある街」へと変える。トーク力、コミュニケーション力、瞬発力…“街ブラ”番組こそタレントの技量なくしては成立しない番組と言えるのだ。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180823-00000344-oric-ent
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