小児外科医 松永正訓「Team18」は、染色体異常の一つ、18トリソミーの子どもの家族らが集ったグループです。「18トリソミーの子のことを多くの人に知ってもらいたい」と考え、2008年から、子どもたちの写真展を全国30か所以上で開催してきました。
1回の展示会で、多いときは150人の写真が展示されます。会の代表を務めるのは、特別支援学校の教員である岸本太一さんです。お子さんの心咲(みさき)ちゃんが18トリソミーで、現在6歳になります。岸本さんに話を聞きました。
18トリソミーという障害名を知らず、頭が真っ白に…
―― 心咲ちゃんの18トリソミーはいつ分かったのですか?
里帰り出産で妻が地元に帰省しているときです。胎児が成長していないということから、妊娠33週の時に個人の産院から総合病院に移されました。
そして35週のときに、手の指が折り重なった状態であること、心臓に奇形がありそうなこと、発育が遅れていることから、ほぼ100%、18トリソミーだと言われ、診断を確定するために羊水検査を受けることを勧められました。検査を受けると、18トリソミーとの診断結果が出ました。36週のときです。
―― 病名を告知されてどうお感じになりましたか?
検査のあとで相談室に呼ばれたので、胎児に異常があるのだと察知しました。18トリソミーという障害名は知らなかったので、医師から説明を受けた瞬間、最初は頭が真っ白になるというか、本当に何も考えられない状況でした。
医師は私たち夫婦に、「おなかの中で亡くなるのを待ちましょう」、「生まれてきても、ほとんどの子は1年以内で亡くなる」、「帝王切開となった場合、初産であるお母さんの体に傷をつけてまで産むことにこだわりますか?」といった話をしました。
今、おなかの中で確かに動いている自分たちの子どもがいるのに、この段階でこの世に生まれてくることを否定される意味が私には分かりませんでした。
18トリソミーという障害について無知だった私たちにとって、医師の言葉は非常に重く、命が区別されていることを思い知らされました。2人とも、何一つ納得できませんでした。
「でも産みたい…」妻の思いに気づき
―― 奥さんの様子はどうでした?
妻は涙を流しながら、想(おも)いをかみしめるようにしていました。悲しさと、悔しさと、自分自身を責めるような気持ちと、様々な気持ちが入り交じっていたと思います。そして、「でも産みたい」という気持ちも、ひしひしと伝わってきました。
その気持ちに気づき、自分が妻を勇気づけなければと思いました。
いつの段階で病気を受け入れ、乗り越えられたかは分かりませんが、子どもに会いたいという気持ちは診断前と変わりませんでした。ただ、妻が産みたくないと言ったり、病気を持って生まれてくることを拒否したりしていたら、違う選択をしたかもしれません。
―― 夫婦でどんなことを話し合いましたか?
私は特別支援学校の教員で、重度の心臓病がある生徒や、進行性の病気で筋力や呼吸機能が低下してくる生徒の担任をしたこともあります。
日常的に医療的ケアを目にしたり、自分自身が行ったりする日々でした。200人近い障害児と毎日を過ごすことで、「精一杯生きること」について考えることも多くありました。
そんな自分が、「今、妻を支えなくてどうするんだ」という気持ちで、「自分がいるから大丈夫だよ」と声をかけました。
授かった命に対して、育てるのが大変だからとか、短命になりがちだからといって、命を見放すという判断はどうしてもできませんでした。話した結果、2人とも、どんなことがあってもわが子とともに歩む気持ちで一致していました。
最初の目標は「生きること」
―― 生まれた時の心咲ちゃんはどんな状態でしたか?仮死状態で生まれてきました。内臓系の疾患は、主に心臓の心室中隔欠損症だけでした。そして、徐々に肺高血圧症が進行してくる状況でした。体重は1789gで低体重児として生まれましたが、40週までおなかにいられたことで、 身体はしっかりと育っていたようです。
―― 家族にとって最初に目指したものは何ですか?
心咲の最初の目標は、生きることでした。分娩室から新生児集中治療室(NICU)に移り、直接声が聞けたときが、今でも最もうれしかった瞬間です。その時に名前を決めました。明るく優しい心でたくさんの人を笑顔にし、みんなから愛される人生を送ってくれることを願って、心咲にしようと。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180520-00010000-yomidr-sctch
みんなのコメント
正しい答なんてたぶんありません
そういう場合は家族でしっかり話し合い
結果を出せばいいと思います。
障害のある子を産む場合
最悪その子が死ぬまでめんどうをみることがどきるか
子どもも人間ですので大人になりますよ
お母さんお父さんは老いていき最悪子どもよりも先に死ぬことになります
最後まで日本はまだまだ未熟な国なのでその中でも愛せるか
お金も尋常ではないくらい必要になります
障害者なんて誰も好きにうまれてきたわけじゃないのに子どもはずっと酷い目でみられることになります
普通に生まれてきたかった
18トリソミーの子供は
本来、死産になったり
出産後、すぐ亡くなる子供です。
積極的医療というのは、無理やり生かすことでもある・・・。
それが良いことなのか、どうなのかはわからない。
実際に、障害児をもった親は、離婚することも多い。
障害児をきっかけに家族が壊れることもある。
命の選択の話を取り上げる場合
障害で苦労している家族、
子供の障害で崩壊してしまった家族・・・
そういう負の部分も同時に紹介していくべきだと思う。
「しょうがいがあるから産まない(産めない)」
も、一つの選択です。
こういう美化した記事は
産まない選択をしようとする人を追い詰める。
「お腹で亡くなるのを待ちましょう」
って、言ってくれた産婦人科医は偉いと思います。
納得出来ないならそれで良いし、ただどんな理由でそう考えたのかは参考になる事もある。
個人的には自分の子供の笑顔は最強。
その3年後、次の妊娠をして羊水検査を受けて異常が無いのを確かめて産みました。
自然界で起こることなのでこういう異常は一定数出るのでしょうが親にとってはつらいばかりの話です。
世の中の偏見にさらされながらも、子供を愛しく思う気持ちが変わらなければ、きっと誰よりも親なのだろうな、とは思う。
10組そういう夫婦がいて、自然の流れに任せた8組のうち4組が結果的に苦しい思いをしなくて済むなら、帝王切開で産んだ2組のうちの1組にどう思われようと、自分が産科医なら表題の医師と同じように言うだろう。
恨むなら恨んでいいし、人でなしの選民主義者と思うなら勝手にすればいい、とね。
当然の事ですが家内は退院するまで子供の事は内緒でした。
家族の、主に夫の理解と協力無しには乗り越えられない現実が有ると思う。言うのは簡単だが毎日の生活にどれだけ影響してそれを克服するパワーが必要か。老人介護にしてもしている人にしか現状の理解は難しい。
父親/母親の意見より
生まれてくる子供が将来どう思うか?考えてほしいものです
その子が成長して成人前
あぁしたい
こうしたい
という思いを母親に訴え泣きじゃくった友人の子供を目の前で見ました
親の気持ちが先走って
子供のことを考えず産んでしまっては
駄目なんです
税金を浪費するような状態になるんだったら、
産む前に決断してほしいね。
みさき?
?
??
可愛そうだが医者の意見に同意する。
その子より1日でも長く生きれる親でないとその子は不幸になる確率が高い。
結局親が決める事だがその子を自分の産んでその現実をすぐに見つめ学校に入る時に悩みその一生に悩む覚悟が出来るのだろうか?
可愛そうだと生まれてから見捨てる行為をしたならその親はその子にとって悪魔だ。
産みたい人もいれば産みたくない人もいる。
周囲がどちらが正しいという問題ではない。
どちらの選択肢もあって当然
途中から読めなくなりました……
悩むだろうなぁ…。
36週にもなった胎児の死を待つことなんて
出来るかな…。
支えると言う父親は逃げる人が多い。
「この子は要らない。」の一言で、「夫は要らない」と思い離婚しました。
育児を一緒にしない夫は父親にはなれない。
一緒に育児する父親はしっかり父親になってる人もいますが…。
ただ、医者の言いたいことはわからなくもない。
不運を医者に八つ当たりしても何も変わらない。
結局は、日本という社会が、障がい者へ優しい世の中じゃないって言う現実。
もし、自分だったら‥の話です。
障害をもって生まれた子どもたちの幸せを願います。
幸せになって欲しいと思う。
私は産める体のタイムリミットなども考えに考えて次の命につなげることを選びました。
どの選択も安易にしたものでは無いし、覚悟を要するものです。産むだけではなくその先も続くのです。正解はないけれど、覚悟を決めたその選択はどんな形であれ尊いはずです。
しかしながら、現実は厳しいものです。
あまりこれを極端な美談に仕立てあげないでほしいな。難病診断されて泣く泣く諦めた人への風当たりが強くなりそうで。
決して安くはないお店で、昼時のほぼ満席の時間。
汚い言葉やわけのわからない大声を上げながら歩き回り、一緒にいた初老の親はニコニコしながら「注意すると発狂しちゃうんです」というだけ。
はっきりと場が凍りついたのが分かった。
よく、親が死んだらどうするのかと言われるけど、親がいてもちゃんと管理できてないこと多いのでは。
親の方も麻痺してきちゃうのかなと思った。
私だったら事前に分かるのなら産まないな。
べったり親がついていられない。
それが原因で子供はすぐ死ぬかもしれない、そういうところを、親が向き合って、それも子供の人生だとして尊重してあげてほしい。
産まれることが成功、1年生きることが成功、ではなく、産まれて死ぬまでの止まることの無いたゆまぬ流れが、幼くとも短くとも、人生です。
子供を授かった場合、主人の場合は遺伝の確率は低いらしいですが、男子が生まれた場合の遺伝確率が100%に近いこともあるようです。同じ治療をされてる方が遺伝外来で言われたとおっしゃってました。
私は結果、子供は授からず、主人と今は楽しく幸せな日々を過ごしています。なので子供を授かることが幸せの一つでしかないことは理解していますが、自分の子供がいつか子供を授かりたいと願った時に同じ苦しみをさせてしまう事、幸せの選択肢が一つ人より無いことを背負わせる事を考えてほしいなと思ってしまいます。
もちろん、生まれてくれば、子を授からなくても山ほど幸せを味わえるのですが、生物であれば当然である事が出来ないというのを味わうのは、とても苦しいことです。
けど、美談じゃない。
障害や病気を持って生まれた方は
ずっとそれを抱えて生きる。
色々なことを諦めて、苦しむ。
私がその子なら、生まれたくない。
産みたいと思うのは勝手だが、障害持ってるのわかってて生まれる子には手当なしとかにしてもらえません?
親のエゴで生まれる他人の子になんで血税使われなきゃいけないんだよ。
健常者のみでよい。
だっていつ陣痛が始まってもおかしくないでしょ?
うちはトリソミーだけど、自然分娩で短時間で生まれてきたので。生まれてくるまでトリソミーだと判らずでしたが、赤ちゃんに異常があったので、すぐに転院しました。
医者は染色体異常も疑ってはいたでしょうが、次の日に緊急手術をしてくれました。
手術をすれば延命だのエゴだのとその子を見た事も育てている親が身近にいない方々が言うのはおかしい。
自分の子の事しか分からないけど、大きな病を克服できれば多少体調を崩す事はあるけど笑顔もあるし、楽しそうですけどね。
笑顔が出せる子ばかりとは限りませんが何よりのバロメーターかと思います。