作家の乙武洋匡氏(42)が、性的少数者(LGBT)を「生産性がない」などと指摘した自民党の杉田水脈(みお)衆院議員に対する怒りを改めて表明した。
乙武氏は29日放送のフジテレビ系「ワイドナショー」に出演。国家の予算や行政の予算には限りがあり、政治家が調整役を担うのは正しいとした上で、「政治家の仕事には、生きる上で苦しさや生きづらさを抱えている人たちの声に耳を傾けて、それを解消していこうという姿勢が必要。
それを、生きづらいと声を上げている人たちに対して『あなたたちの苦しさなんかたいしたことないから税金使わないわよ』なんてよく言えるな、と。杉田議員が一意見として持つのは自由だが、一論客ではなく与党の政治家としてそれをなぜ言うんだろうと本当に憤りを感じる」と怒りをあらわにした。
続けて、「私達人間は、根源的には『国家の維持のために』と思って子どもを作るわけではない。愛する人との子どもを授かりたいという思いがほとんど。でも、LGBTの方々は、どうしてもそれができないんですよ」と持論を展開。
「自分たちで選んだわけでもないのにそういう境遇に生まれついてしまった悲しみというのは、本当にその境遇にない人には理解しにくいし、それによって自ら命を絶つ人がいるほど、決定的な欠落として深い悲しみを抱えている。それに対して『あなたたちは生産性がない』という言葉をかけるというのは、本当に許せない」と語った。
乙武氏は、ツイッターでもこの問題について「『あなたはLGBTなので生産性がありません』『あなたは障害があるので生産性がありません』『あなたは高齢者なので生産性がありません』『あなたは能力が低いので生産性がありません』
ーー国家にとってどれだけ有益かという観点から優劣がつけられる社会になれば、次に排除されるのは『私』かもしれない」とつづり、大きな反響を得ている。
これについても、「『私』というのは、僕自身という意味ではなく、誰がなってもおかしくないという意味」と真意を説明。「LGBTでもない、障害もない、今は若くて健康だとしても、(生産性が基準なのであれば)あなたは生産性がないのでこの国には不要な人材ですと言われかねない。そうやって優生思想というのは強まり、ナチスのホロコーストにつながっていった」と警鐘を鳴らした。
杉田議員は今月発売の月刊誌に「LGBT支援の度が過ぎる」「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか」「彼ら彼女らは子どもをつくらない。つまり『生産性』がないのです」とLGBTへの行政支援に疑問を呈する内容の文章を寄稿し、物議をかもしている。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180729-00283799-nksports-ent
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