作家の乙武洋匡氏(42)が、26日放送のフジテレビ系「ワイドナショー」(日曜・前10時)に出演し、日本社会の障がい者に対する風潮に言及した。
「ワイドナ―」では、中央省庁や地方自治体で障がい者雇用の割合水増しが相次いでいるという問題を取り扱った。従業員100人以上の企業が(障がい者の)法定雇用率に達しない場合、1人あたり5万円の納付金が課せられる。一般企業にはペナルティーがあるが、官公庁や自治体にはそれがないため問題に発展した。
乙武氏は「そもそも、なぜこういう枠が設けられているってことなんですよね」と口を開き、「もちろん働くというのは能力で雇われているわけですから、障がい者、健常者問わず枠を設けるのではなく、
能力のある人間が雇われればいいじゃないかという意見があると思う。ただ実際にそうしてしまうと、障がい者が働くには、例えば車いすの人間であれば、
職場に車いす用のトイレがないと働くのは難しくなってしまうだろうし、聴覚障がいの方がいらっしゃれば、会議も口頭だけではなく、
文字を利用するコミュニケーションが必要になってくる。いろいろ、効率が悪くなるし、様々なコストが上乗せになってくる。だから、両者同じ能力なら、健常者を雇った方が楽だということになってしまう」と解説した。
「そういうことが起こらないように、能力のある障がい者が雇われるように環境を整備してください、そういう枠を設けますよというのがそもそもの始まり」と続け、
「そこをごまかすというのは、どういう理由なのかなと。そこがひっかっかていて、国はそういう準備を整えているはずだし、実際、省庁などに行っても車いす用のトイレだったり、さまざまな点字だったりあるはずなのに、なんでそこをごまかしたのかというのが、非常に疑問」と首をひねった。
さらに「罰則を受けてでも、障がい者を雇わない方が企業にとって得と思われてしまうケースがある」と日本社会の現状を説明。
「障がいのとらえ方って、今までは“医学モデル”“医療モデル”といって、個人に障がいがあるから社会に適用できるように手術やリハビリを頑張って合わせて下さいという考え方だったけど、
最近は“社会モデル”といって、障がいだけじゃなく社会にはいろんな種類の人がいるんだから、そのいろんな人に対応できる柔軟性のある社会にしていきましょうということが言われてきた。でも、まだ日本は“医療モデル“で考えてしまう風潮が強い。
“社会モデル”という感覚に立って、もっといろんな人が働ける職場にした方が結果、柔軟性のある会社になっていくというデータが出始めている」と熱く語った。
松本人志(54)が「障がい者は皆さん、働きたいと思っているんですかね。働け働けみたいになっていくのもどうなんだっていう。
我々が税金でまかなっていける部分はまかなっていかないといけないと思う」と話すと、泉谷しげる(70)も「障がい者だからこそ、もしかしたら一人で生きにくいからこそ社会の役に立ちたいという思いに立つ人が多いんじゃないかと俺は思う。一人で生きて行けないんだから」と見解を示した。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180826-00000129-sph-ent
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