NHKで放送中の大河ドラマ『西郷どん』(毎週日曜 後8:00 総合ほか)は、12日に第30回「怪人 岩倉具視」が放送され、笑福亭鶴瓶が演じる岩倉具視が「どう見ても鶴瓶にしか見えなかった…」「これは岩倉具視というよりただの笑福亭鶴瓶なのでは?」と、
視聴者を困惑させた。大久保一蔵(瑛太)と桂小五郎(玉山鉄二)が、刀を構えて一触即発の事態になっているところに「はい、はい、はい、はい、そこまで。お開き、帰って~」と仲裁に入った岩倉。台本に沿ってはいるのだが、鶴瓶のアドリブも多分に混じっていたらしい。
放送前には、主演の西郷吉之助を演じる鈴木亮平が、自身の公式ツイッターに「これまでの岩倉卿のイメージを果敢に覆す素敵な岩倉様になっております。鶴瓶さんの怪人ぷりを、思う存分楽しんでくいやんせ。」と投稿していたが、とにかく吉之助が出会った男が、怪人物であったことは視聴者にも伝わったのではないか、と思う。
鈴木は公式サイトでも、吉之助と一蔵が少しコミカルなかけ合いを見せる賭場のシーンで、「鶴瓶さんが貪欲に笑いを取りにいかれたので、思わず『大河ですよ!』って言っちゃいました(笑)」と、明かしていた。
制作統括の櫻井賢チーフプロデューサーによれば「目の奥が笑っていないイメージがあって、武士(もののふ)の価値観とは違う傑物感を表現できる人」として、脚本を執筆する中園ミホ氏が初期の段階から岩倉具視役には鶴瓶をイメージしていたという。
鶴瓶もインタビューで、中園氏から直接「岩倉具視、やって」と声をかけられ、「こんなんでええの?って思いながら演じていて、いまも悩んでいます」と打ち明けていた。
中園氏は、時代考証を担当する日本の歴史学者・磯田道史氏から得た「お金に困っていた公家が自宅で秘密裏に賭場を開いて寺銭を稼いでいた」「蟄(ちっ)居中、経費削減と暗殺を恐れて、自炊していた」といった岩倉に関する情報を脚本に盛り込み、第30回で吉之助と一蔵と岩倉の出会いをがっつり描くことに。
ちなみにSNS上でも「A-Studioか?」(鶴瓶が出演するTBS系トーク番組『A-Studio』)とツッコミが入っていた、「西郷吉之助、ちゃんと調べたる」と帳面を見ながら、吉之助の経歴を読み上げたシーンも、実在した岩倉が情報収集に長けていて、帳面にそれぞれの特徴をメモにしていたことをヒントに描いたシーンだったという。
荒唐無稽に振り切ったともいえる『西郷どん』の岩倉具視だが、ほかの公家たちと明らかに違う言葉づかいも、何も成し遂げられなかった公家たちとの差別化にはなるのかも。
櫻井CPは「ここまでお公家言葉がフランクだったかどうかはわかりませんが、鶴瓶師匠ならではの面白さや瞬発力を生かした岩倉がいろんな局面で出てくるので、この先も楽しんでいただけたら」と、話している。
西郷、大久保とともに倒幕・維新に尽力した「維新の十傑」に名を連ねる岩倉具視。鶴瓶の岩倉を見て、本当はどんな人だったのか、と興味が湧いたのなら、京都市内にある岩倉具視幽棲(ゆうせい)旧宅などゆかりの地を訪ねるなどして、自分の中で正解を探ってみるのも一興だ。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180813-00000314-oric-ent
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