2018年春の番組改編が行われ、各局で新たなテレビ番組が続々スタート。その中でも、アニメ番組数は今クールだけで70を超える。年々増加傾向にあるアニメコンテンツだが、その半数を超える45作品がTOKYO MXで放送されている。
もはやTOKYO MX=アニメ王国というイメージも定着しつつあるが、なぜここまでアニメ作品を放送するのだろうか? アニメ制作の裏側や同局の戦略など、TOKYO MXアニメ事業局長の尾山仁康氏に話を聞いた。
■“情報戦”で優位に『ゴールデンカムイ』は2016年から準備、2年先の放送作品も着手中
――春の改編で、アニメが45作品となりました。なぜ局としてこんなに多くのアニメを取り扱っているのでしょうか。まずは背景から教えていただけますでしょうか。
【尾山氏】前提として、(開局して10年くらいの頃のこと)まずは、「国民に親しまれている誰が知っているアニメ作品」をゴールデンタイムに放送しようという提案を行ったことがきっかけでした。例えば『アルプスの少女ハイジ』や『トムソーヤの冒険』、『うる星やつら』『巨人の星』などを放送すれば、編成側にも親が子どもと一緒にお茶の間でMXを見ているというイメージが出来やすいと考えました。
結果的にテレビ会社として良い方向に向かったと思います。2006年前後でした。
この頃からアニメの取り組みを開始して、MXで『涼宮ハルヒの憂鬱』(2006年)『地獄少女』(2005年)といったヒット作品が生まれてアニメ業界全体がMXを知るきっかけになったと思います。その後も『ミルキィホームズ』(2010年)『魔法少女まどか☆マギカ』(2011年)、『ガールズ&パンツァー』(2012年)といったヒットアニメも生まれました。
――1クールでアニメが45本、驚異的な本数です。なぜTOKYO MXがアニメ放送の主軸に選ばれるのでしょうか。
【尾山氏】基本的には放送するテレビ局を選ぶのは、例えば製作委員会や原作にあります。日々営業活動を重ねる中で良い情報が取れるよう心がけて一つ一つ丁寧に聞きまわります。
そして良い情報を会社に提案し、会社が決定します。この連続と結果がスポンサーの満足度に影響するのだと思います。継続的な営業意識を2006年から続けてきたことが結果としてアニメ番組が増えたということになります。またその想いに賛同してくれたメンバー・アニメ業界が応援してくれたと感じます。
私たちテレビ局は営業活動で情報を取得して番組を編成していきますが、特に情報収集では人脈ネットワークが育ってきており、現在はアニメの分野においては比較的に優位な立場で情報を収集できています。営業活動の中で、『じゃあうちも参画したい』といった良い環境作りを念頭におくことで皆が盛り上がろうという精神も根付いています。
アニメ作品は放送するまでにおよそ2年かかります。今は2年先を見据えて営業しています。例えば、今期の春アニメ『ゴールデンカムイ』や『かくりよの宿飯』は2016年から始動していたわけです。アニメは制作にも時間がかかりますから、2年前から準備をしないといけないんです。アニメが増えたというよりは連続性を持って契約できたという結果としての45本ですね。
■東京からアニメ作品を全国に流行らせたい
――テレビ局として、アニメに力を入れている理由は?
【尾山氏】テレビ番組は時間に内容を加えてその予測を売るものなので、そう簡単にはCMは売れません。アニメ作品を連続して編成することでスポンサーにも視聴者がお茶の間でMXにチャンネルを合わせてみてくれているという営業トークが「イメージがしやすい」環境になってきたと思います。その結果、例えばスポット営業が伸びてきたことも大きな収益の一つになりました。
もうひとつ、私どもは東京エリアの放送局という立ち位置ですが、「東京で流行らなければ全国で流行らない」という放送局としての使命感があります。キー局も地方局も視聴率は絶対に大事ですが、アニメの場合はオンエア前のプロモーションを重視しておりSNSの拡散も非常に大切になってきます。
視聴率が低かったとしても、東京でオンエアすることでSNSを通じて全国に拡散していき、作品のセールスにつながります。
■視聴習慣を意識し、SNSでアニメ実況の拡散がトレンドライン
――具体的にどのようなアニメ戦略を行っているのかお聞かせください。
【尾山氏】強大なキー局に勝つためには一つだけ作品を設けるのではなく、その前後にも2作品3作品と連続してアニメ編成することで「夜にMXを見れば何かしらアニメ作品が放送されている」という環境を作り、視聴習慣の定着を狙っています。さらに日頃アニメに親しまれていない視聴者層もすごく大事に意識しています。アニメの“画”はすごくパワーがありますから、そこでチャンネルを合わせてくれるような努力をしています。
アニメは少し前までは深夜帯を中心に放送していましたが、今は22時台からアニメを編成しています。録画ではなく、オンタイムで観られSNSとの連動も相性がよい時間を優先的にアニメーションに充てています。22時台が定着したのが2017年度、つまり2015年からずっと意識していたわけです。
■製作費は1話2000万、1作品2億以上! それが後にも生きてくる
――アニメの制作や準備にはどれくらいかかるのでしょうか。
【尾山氏】一般的な製作委員会の例では、1話あたり1700万円~2000万、それが12話とすると約2億円から大きいのだと3億円強になります。さらにオープニング・エンディングを作る費用や広告宣伝費など合算してとても大きなコストになります。ロボット・メカものやバトルシーンが売りの早い動きのアニメは作画には情熱をかけて納得のいく作品に仕上げるまでにさらに加算されていく傾向がありますね。それくらいお金をかけてアニメ作品が作られています。弊社も今期約30作品ほどの制作委員会に参画しています。
――アニメの製作委員会はどういったところが参加するのですか
【尾山氏】まず提案者がどのように作品を育ててアニメ化にしてビジネスを広げていくのかが大切であり、作品の性格や背景を考慮しながらビデオメーカー、音楽メーカー、出版社、テレビ局、配信会社などにアプローチを重ねて参画していくといった流れが主流です。
一見多額の製作費ですが、こうしてクオリティーの高いアニメを作っているということが、海外展開や配信などテレビ外でのプロモートでも生きてきます。「原作者やスタッフ、制作コストや反響の予測が海外配信会社への販売にとても大きな影響を与えます。
■子ども向けアニメにも挑戦、今後もアニメ路線を継続し業界をもっと盛り上げたい
――“アニメ王国”のイメージが浸透してきたと思いますが、次の課題は? キー局は、子供が見る時間帯にアニメ作品を放送していますが。
【尾山氏】プリスクールの作品を今計画しています。
国民的キャラクター『アンパンマン』のような局の顔となる国民的アニメを生み出すことが目標です。現在はその試みの一つで日曜日の朝に3つのアニメ作品を放送しているほか、夕方帯には『新ヴァンガード』も5月から放送します。
そのほかにも進めている最中です。国民的アニメは、メーカーさんと一緒に長く育ていく心構えが必要です。会社にも了解を得ないといけません。慎重に挑戦していきたいと思っています。
――TOKYO MXの支柱の一つにやはり「アニメ」があるわけですね
【尾山氏】2018年の春改編ではさらにアニメを強化しました。アニメ作品は本当にたくさんのスタッフが1枚1枚丁寧に制作しています。
一人でも多くの方に見て頂きたい為に、セットインユースの高いゴールデンタイムの22時から放送し継続することを現段階では実施しています。このことがテレビ会社としての役割であり、理解を得て、その結果アニメ業界全体が盛り上がることが最大の目標ですね。
――最後に、TOKYO MXが“アニメ王国”になった理由を改めてお聞かせください
【尾山氏】アニメ業界で活躍している方々と密接に信頼関係を築き上げてきた結果が現在にあると思っています。未来も大事ですが、過去を振り返りあの時にこうすればよかったということをメモにして残しています。
そうすることで同じ失敗をしないで発言できる。この『連続』が結果として今のTOKYO MXの実績と信頼が評価いただいているのではないでしょうか。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180417-00000365-oric-ent
みんなのコメント
それ以前だと1クール20本程度だった気がする。
それくらいだと十分取捨選択できるし、見ようと思えば全部見れる数でもあった。
今は数が多すぎて0話切りどころか、見ない作品が大半になってしまった。
テレビ放送分は基本的にお金払わず見てますけど、多少のお金出すことは厭わないので続きみたいんですけど!?なのもなくはないので、クラウドファンディング的なノリ?でいくら集まったら続編制作決定。みたいなのできませんかね?無理か。
待ってても絶対続編来ないだろうなあと思いますが、コアなファン多いのでこれならワンちゃんあるかもとか、ふと思いました。
東京の独立局だからこそ、出来るんだろう。
私は中国人の学生ですが、私は特に日本のアニメーションや文化に興味があります。現在、日本語はまだ学習段階です。日本の友達と会い、日本語を学ぶことを教えてください。お互いから、私のラインアカウント1507018628、非常に感謝することができます。
もっと友達を作りたい私のラインIDは1507018628ありがと
前まで視聴継続していた1話内容でもアニメが多すぎるからって理由で1話切りするのが多くなった。
わざわざアニメで見直す必要がないと思ってる
勿論、好きな作品は十人十色ですけど、アニメファンはアニメの本数を増やして欲しいのではなくて、新しい技術を取り入れたりした映像や、内容が面白いか分からない作品でも見たら面白かったと思える作品を増やして欲しいんですよ。
流行りの原作をやるにしても、話が途中で完結して次期放送予定があるかどうかも分からない作品なら、無理に作らなくても良いと思いますし。
それと、5分アニメはざっくりと減らして良いと思います。
最近は海外のアニメの質がかなり上がってきている、もう馬鹿になんてできないレベルになってる
それでも日本人は何も対策できないんだろうな…アニメ好きだったからこそ、この衰退振りは悲しいわ
流石に関東一円に放映権を持つキー局よりかは、下の位置にアンテナがあるものの、それでも東京都にしかMXの放送免許がおりてないなかでスカイツリーから送信するのは、結果としてスピルオーバーで一都三県の大多数を抑えることができ半ば反則。
昔はtvk(とテレ玉、チバテレ)がアニメの王国状態だったが、いまやMXとBS11で流しておけばアニメ視聴者層をカバーできるので一気に情勢が変わった
まぁtvkも東京に近いところに送信所持ってたりするんだけど……
これでMXとtvk、テレ玉、チバテレが仲悪くなって首都圏ネット4が解消されたんだよね
以前はテレ東がアニメ王国だったのですが…今ではMXTV
ただ1ク-ル(3ヶ月)というのは短いような気がしてならない
それにアニメが多すぎる感も否めない
すべて見ているわけではないが作画が酷いあるからアニメ-タ-の方々やアニメに携わる人たちの労働環境をもっと良くするべきではないかと思う
今は多過ぎて原作知らないものは2話以降見ても前回の話があやふやで盛り上がりにかける
回を増す毎に面白くなっていく作品なんかはそれで損してるところがある
地方では動画配信サービスに加入するかレンタル。
しかも動画配信サービス複数掛け持たないと見たいのが見られない。
この格差をどうにかしてほしい。
東京の人間の勝手な言い分だと思うな。
使命じゃなくて単なる持論でしょ。
そうやって地方との情報格差/娯楽格差は広がっていくんだよ。
アニメ自体を見なくなりました。
長い話を無理に12話にするのも…
プロ市民に日当が出てる証拠も有るのに、
極左が牛耳るBPOにビビって、
「ニュース女子」の配信を辞めたTOKYOMX。
もうアニメ専門チャンネルに鞍替えしてろ!
アニメはパンツとか幼女とかハーレムとかの糞みたいなもんはやめた方がいいとおもうが?
昔は1作品1年(4クール)が当たり前だったじゃないですか。
分割クールもいいですけど、間が開くより続けて観たいなと思います。
小学生しか見ないであろう作品は深夜で振るわないと思います
日本人は漫画という読み物のおかげで、
国民一人当たりの知っている物語の数はダントツで世界一です
さらにアニメの物語が加算されますから圧倒的です
子供が週に20や30もの物語を見てたんです
そして平均して目の肥えやすい人間になる環境なのです
そうなると、完全な子供向けだと見なくなりやすい
ゆる~い物語を子供向けと言ってるわけではありませんよ?
ボールは友達!という掛け声に共感できるのは小学生まで
大人だと、なつかしさからどういうリメイクか確認して、
そして視聴しなくなるんです
ドラゴンボール超も確認のため見て、やや子供向きだったため、
録画してまでは見ない
そんな人は多かったのではないでしょうか
変に社会派気取りの番組放送するからトラブルになる
上杉隆、西部邁、ニュース女子・・・
画質が悪すぎる
もう見ては消し、の自転車操業状態に
漫画できれいに終わって、原作通りアニメ化すれば成功する作品を駄作にするのはツラい…
牌を奪い合って全員損するだけ
挙句の果てにはネットTVでは海外の潤沢な予算を使った豪華アニメがいつでもみられる。今のところ、海外との感性の違いに助けられているが海外勢力もノウハウを覚えてくるはず。国産アニメを取り巻く状況はやはり厳しい。
その結果ストーリーが原作のダイジェストになるものが多く、原作の宣伝アニメと化しているのがげんなりさせられる
格安のアニメを作る>一般の人は見ない>更に視聴率が落ちる
まさにデススパイラル