昨年デビュー30周年を迎えたアーティストの永井真理子。1980年代から90年代にかけて『ミラクル・ガール』や『ZUTTO』など数々のヒット曲を世に送り出した人気歌手として知られるが、結婚や出産、海外移住などを経て、2006年以降、音楽活動を休止していた。

そんな彼女が昨年、約11年ぶりに新曲を発表し、スペシャルライブを行うと、多くのファンが詰めかけた。さらに今年も7月に東京・大阪でライブを開催する(東京公演はソールドアウト)。なぜ彼女は音楽活動を再開したのか――率直な胸の内を聞いた。

2003年、家族と共にオーストラリア・シドニーに移住した永井。そこからも、新しい音楽の模索を含め、活動を継続していたというが「走り続けているときは見えなかったのですが、すこし時間ができて、立ち止まってこれまでの音楽活動を客観的に振り返ったとき、後悔や自分の理想とするものができていないのでは…という思いが沸いてきて、自信喪失してしまったんです」と当時を振り返る。

ここからは苦悩の日々が始まる。「自分がたくさんの人の前で歌う姿が想像できなくなってしまい、深いところまで落ちてしまいました。

もう歌うことができない状態になってしまったのです。一方で、私のことを待ってくださっている方々がいるという思いも強く、それは私にとって見過ごすことができなかった。だから余計、自分のなかで葛藤が生まれ、本当に心から歌に向き合えるまで、音楽活動は無理だと判断したのです」。

“苦悩”とは言いつつも、音楽から遠ざかっていた10年は、永井にとってかけがえのない時間でもあった。

「人として母親として奥さんとして、という側面からみれば、とても有意義な時間でした」とプライベートでの充実を明かすと「また、こうして音楽を再開できたいま考えると、ブランクがあった10年は絶対必要な時間だったと思えるのです。

なぜなら、音楽に対して本当に新鮮な気持ちで取り組むことができているから」としみじみと語る。

では、なぜ昨年、深く落ち込んでしまった音楽を再開しようと思ったのか――。この点について永井は「なにがきっかけになったのかを考えたとき、一つに限定できないのですが、大きな力になったのはファンとミュージシャン仲間ですね」と語ると「30周年という節目に向けて、ファンの方が『また是非歌って欲しい』と大きな声を上げていただいたり、仲間が『会場を押さえておくから』と背中を押してくれたりしたんです」と説明する。

こうした声は、確実に永井の心に届いた。「たぶん、離れていた10年間も“音楽をやりたい”という思いは浮いたり沈んだりしていたのだと思うのですが、“ザバーン”と大きく顔をのぞかせた瞬間があったのです。そうしたら“どうしても歌いたい!”という思いが湧き出てきて、止められなくなりました。その気持ちを絶対になくさないように新しい作品を作ったのです」。

永井の“歌いたい”という思いが詰まったアルバム『Life is beautiful』は、昨年自身のデビュー日である7月22日にリリースされ、10月にはデビュー30周年記念ライブを敢行。完全復活を遂げた。

永井はそのときの気持ちを「デビューした20歳のときとまったく同じ新鮮な気持ち」と表現したが、再出発にあたり絶対に決めていたことがあるという。それは「大手のレコード会社や事務所のお世話にならず、自分のやりたいことを徹底的にやり尽くそう」ということ。

会場の手配やチケット販売を含め、すべて永井と仲間だけで準備をした。「宣伝もSNSだけで、『ライブをやります』と言ったものの、10人ぐらいしか集まらないかもしれないという怖さもありました」と語っていたが大盛況。

結果、30周年ライブは全国で17公演行い、多くのファンが会場に詰めかけた。「もう感謝しかなかったですね。ファンの方も私も泣きっぱなしで、今思い出しても涙がこぼれるぐらい感激しました」。

こうした決意には、前述した「やりたいことが本当にできていたのか」という思いが背景にあった。「自分のやりたいこと、相手がやってもらいたいことに相違があるのは当たり前。

商業的な部分で活動していれば、そこで折り合いをつけていくことがプロだし、私が若いときに経験したことは、歌手としてだけではなく人間としても多くのことを学べた時期でした」と前向きにとらえる。

「もう50歳。これからあと何年歌えるかわからないと考えると、せっかくこうしてまた音楽を新鮮な気持ちで始めようと思えたのだから、絶対後悔はしたくない。

自分を使い切って、気持ちに嘘をつかず、やれることをやりたい」と力強く宣言した永井。20代の楽曲を「元気で走っているようなイメージ」と語ると、現在の曲は「明るくスキップするような感覚」と表現する。

この言葉通り、今の永井をみているとワクワクしながら、スキップしながら前を向いているような軽やかさが感じられる。(取材・文・撮影:磯部正和)


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みんなのコメント

 

名無しさん
いまだに、「好きな女の子のタイプは?」って聞かれると
「全盛期の永井真理子」って答えてるわw
名無しさん
女性アーチストが全盛だった時代の一人として活躍されていた。
懐かしいと同時に今の音楽業界の偏向に(アイドルやダンスパフォーマンス集団)少々、嫌気がさす中、もっと幅広く音楽にスポットをあてた番組なり宣伝広告をして欲しい!!テレ東あたりなら忖度なしに出来そうな気がする!!
名無しさん
プライベートの切り売りはカッコ良くない。内緒にしておいた方がカッコイイこともある。
名無しさん
スターフルーツのTシャツってすごいな・・・
名無しさん
誰か知らん。
名無しさん
何も気に病むことないのに。最高の音楽をありがとう!最高の青春をありがとう!そしてこれからも沢山聴かせてください!
名無しさん
横浜スタジアムとか富士急とかコンサート見に行ったなぁ…
特に富士急のwash!wash!wash!は、チケットが取れた事も有って、2日連続で…
青春そのものでした。
復活は素直に嬉しい!
トークショーでもいいから、笹野みちるとのコラボもまた見たい!
名無しさん
真理子さんもELTもメインの制作者が変わったら失速してしまった。他にこのパターンはいると思いますが、売れて人気に拍車がかかると音楽性に関するいろいろな動きがやはり出てしまうのでしょうか。キャラクター、ルックス、ボーカル資質ともに申し分なくオーディエンスとしては大変勿体なく思えてしまう。
名無しさん
皆さんのコメントが熱いッ
こんなにもブランクがあっての復活に、この熱いコメント
いつもより熱いw
名無しさん
記者さん、「思いが沸いてきた」じゃなくて「湧いてきた」ですよ。
名無しさん
もっとメディアに出て欲しい!
名無しさん
この時代の歌手って今のステマ上等な量産アイドルとは全然違う
個性や実力に裏打ちされた魅力が無いと例え上手くても埋もれてしまってた
名無しさん
SNSで10人だけでもいいじゃないか。過去に売れた人に言いたいけどうぬぼれが強すぎる人が多すぎる。歌とか曲は時代を映し出す鏡であり、1曲しか売れなかったとしても一時代を築いたと誇りに思って欲しい(ただし勘違いしてる歌手が非常に多いのが残念)
もう一度歌いたいと思って応援してくれる数人からでもいいじゃないか。歌いたい=売れたいと思うのなら音楽家ではなくアイドルですね。
北別府マナブ
50歳には見えませんね?
名無しさん
今井絵理子かと思った‥
名無しさん
今でも車で聴いてますよ!
黄色いCDのヤツ。
ddt
なぜかバック宙に拘っていて、コンサートで観た記憶が・・・
名無しさん
顔変わりました?モト冬樹の嫁みたいな目になってる。
★★★★★
「唇にメロディ?」いやー懐かしい。
50歳で、だらし無くデブにもならず劣化して居ないのが凄い。
ダイエットもしないで復活して、コロコロして「タマちゃん」みたいに太っちゃって登場して、ショックを受けるアーティストが多い中。
歌い手としてリスペクト出来る。
テレビ出て欲しいな。


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w
活躍している若い永井さんの中に娘がいそうだね。
名無しさん
あれから30年
今でも定期的に聴いてます
“がんばれ私の中の勇気”
“StepStepStep昨日の夢は今日の風”
名無しさん
おかえりなさい
名無しさん
なつかしい。このころの歌手はみんな好きだったなあ。
永井さんの印象はボーイッシュで元気印の応援ソングがヒットした人、というイメージ。ただあまりにも同じ方向性の歌ばっかりですぐ飽きてしまった。多分周りの評価も同じだったと思う。
大人の女性の歌も聞いたみたいなあ、とこのニュースを見て思いました。
名無しさん
懐かしすぎる
名無しさん
あの頃に戻ってやり直したい。
匿名
よく聞いてた時期がありました。「ZUTTO]よりもずっと前。メッセージ性がある曲が多く共感出来て好きでした。
名無しさん
なにかの漫画で「短井真理子」ってキャラいたな。
名無しさん
10代のころよく聞いていました。
とても懐かしい名前です。。。
名無しさん
贅沢な悩みですね。
名無しさん
中学生の時ミラクルガールを聞いて以来、社会人になるまでずっと聞いてましたし、コンサートも行ってました。結婚されてからは急に冷めてしまい、アイドルとして見ていた自分に気づきましたが、受験戦争の時期にすごく彼女の歌に励まされました。
久しぶりに見ましたが、昔と変わらず若いなあと思いました。
青春時代を思い出してまた聞いてみようかなあと思います。
名無しさん
大ヒット曲って、代名詞になる反面、足かせになる側面もあるよね。
時間が経って、その辺りが消化し切れたのかな。
ioycfl
オーストラリアに行ってる時点で続ける必要ないだろ。
名無しさん
当時の他のアーティストと違い『明るさと元気を出してたね~』
名無しさん
美容院継いだのかと思ってた
名無しさん
アデルや天童よしみみたいになってしまった渡辺美里よりいい
しかしアデルは綺麗だと思うよ、時々なんだこれはって写真が出るけど基本的には綺麗だと思う(渡辺美里が綺麗だとは一言も言っていない)
名無しさん
白シャツと黒デニムのイメージが強い三大有名歌手
永井真理子
GAO
マイケルジャクソン
名無しさん
歌も演技もうまかったのにあまり売れなかったのは、事務所のせいだと思ってました
名無しさん
好きだったわ~ショートカット!
ほどけた~くつひも~そのままで~いたーい夜~
名無しさん
ずっと、応援しています。
名無しさん
♪くちびるにメロディー
いつしかなんとかの群れ!
街を見渡せばー
なんとかなんとかー
交差点のかんとかーの
たたらたたらららら
ミラクルガー
なんとかーなんとかー
orz…
名無しさん
昔はライブにも行った、いま思えばキャラを作りすぎてたのかもって思う。元気キャラを演じてると相当ストレスになるんじゃないかな?
中学のわたしは大好きでしたし、今も大好きです。
名無しさん
「23歳」「少年」は名曲。
名無しさん
ながまりさんも五十路かー!
曲げわっぱのおべんとばこ
永井真理子さん、懐かしい!よーく聞いてました。zuttoとかありましたね~。
名無しさん
LaLaLaっていう永井真理子の曲が好き。
名無しさん
本当の理由は資金が尽きて来たのみ
名無しさん
YAWARA歌手みたいな書き方するな、永井真理子といえば瞳元気だろ。
名無しさん
全然抱けるわ
名無しさん
彼女といえばYAWARAのテーマ曲「ミラクルガール」。
懐かしいなぁ(^o^)♪
名無しさん
もうアイドルは要らないから
こういう「歌手」が復帰してくれるのは有難い。

 


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