「これぞ朝ドラって感じで安心して見られる」なんて声も多い。10月からスタートしたNHK朝の連続テレビ小説「まんぷく」の評判が上々だ。
大阪出身のライター、源祥子氏が言う。
「主人公の福子を演じる安藤サクラさん(32)の大阪弁は違和感がありません。他県の人が大阪弁を話すことに何かとうるさい大阪人も、納得しているようです。
また福子の職場の先輩にタレントの“なるみ”さん(46)がキャスティングされたのが、うれしかったですね。彼女はあの“551の豚まん”のCMに長年出演している、いわば大阪の顔ですから。それからもう1人、すごく気になるのが、あの缶詰の人!」
確かに、福子にいつもそっと缶詰を差し出す職場の同僚がいる。福子が働くホテルの料理人。あの顔立ち、表情、どこかで見たことがあると思ったら……。
「『この人、誰?』と思う視聴者もいると思いますが、彼は藤山扇治郎さん(31)です。大阪を拠点にした松竹新喜劇の座長で“昭和の喜劇王”とまで呼ばれた藤山寛美の孫。つまり、藤山直美の甥っ子に当たる俳優です。彼も新喜劇をメインにして、だんだんと人気が出ています」
そう話すのは、著書に「男たちの宝塚」がある映画・演劇ライターの辻則彦氏だ。辻氏が続ける。
「『笑艶・桂春団治』という舞台で祖父と共演した子役時代の扇治郎さんは、酒屋の丁稚を演じました。酒を注ぐのに『(一升瓶の)口を開け』と寛美扮する春団治に言われ、自分の口を開けるなどしたやり取りで爆笑を取り、『天才子役』と言われたほどです。
そのまま喜劇の道を歩む選択もあったのですが、上京して劇団青年座研究所で、演技の基礎をきっちりと学んだのが強み。現在は新喜劇以外に自主公演にも取り組んでいます」
関西の笑いというとコテコテのイメージがあるが?
「その風味が薄いのが、彼の場合はかえって吉と出ているのでは? 映画『家族はつらいよ』シリーズでは、ちょっと気の弱い巡査を演じて“山田組”のメンバーにもなっています。
『まんぷく』でも“強烈な個性がないのが個性”を生かして茶の間に受け入れられていますね。寛美が亡くなってから28年が過ぎ、今では寛美を知る人も少なくなっているぶん、偉大な祖父の呪縛から解き放たれ、さらなる活躍が期待できます」(前出の辻氏)
最強の喜劇役者のDNAを継ぐ、新たなスター誕生となるか。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181013-00000019-nkgendai-ent
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