大相撲の貴乃花親方(元横綱)が2018年9月25日、東京都内で会見を開き、日本相撲協会に引退届を提出したと公表した。
23日までの秋場所では、小結・貴景勝や、日馬富士暴行事件の被害者でもある平幕・貴ノ岩が勝ち越すなど、貴乃花部屋の力士が健闘。
これからだと思われた矢先の引退劇は、いささか唐突な印象も与えている。協会との間に何があったのか。
■「正式な連絡があればしていました」
引退の大きな理由は、圧力とも取れる協会執行部からの要請だ。貴乃花親方は、協会のガバナンスなどの問題を指摘する「告発状」を提出していたが、
その内容について「事実無根な理由に基づいてなされたものであることを認めないと親方を廃業せざるを得ないなどの有形・無形の要請を受け続けてきた」という。
7月の理事会では、すべての親方が5つある一門のいずれかに所属しなければならないと決定。無所属だった貴乃花親方は、
いずれかの一門に入るために「告発内容が事実無根な理由にもとづくものと認めるように」という「条件」を提示されたといい、「真実を曲げることはできない」として固持したと明かす。
協会トップの八角理事長と話し合いの場をもち、納得いくまで話すことはしなかったのか。「正式な連絡があればしていました。しかし現在まで直接連絡はございませんでした」という。
会見での代理人弁護士の説明によれば、貴乃花親方は「告発状の内容に何か疑義があればご指摘ください」と協会側に求めていた。
協会とも代理人弁護士同士などでやり取りを続ける中で、貴乃花親方側からは「(こちらが)出した内容に関し、『厳粛に検討し回答する』と仰ったにもかかわらず、
それを反故にするものではないのですか」と協会の対応に疑問をぶつけるものもあったという。ただ会見ではそれ以上の内容には触れなかった。
「暴行事件で、第三者委員会が立ち上げられなかった」
協会側がこのような要請をしてくる背景について、貴乃花親方は、「理事会が(9月27日に)あるので、
それに向けて急ピッチで進めているようでした。しかし原因や理由はわかりかねます」と不可解さをにじませた。
告発状のうちどういった箇所が「事実無根」と指摘されたのか。具体的な指摘は「ありました」というが、
「個別の指摘よりも、全てにおいて事実無根であるということでしたので、どう考えても私自身が認められなかったということです」と詳細は明かさない。
ただ、元日馬富士の事件の対応をめぐっては、「暴行事件で、第三者委員会が立ち上げられなかったのは私にとって残念なことです。外部の方々の目で相撲協会を見てほしいと思います」と今なお納得していない。
「引退」以外の選択肢はなかったのか。貴乃花親方は「代理人含めて告発状の件について話しました。力士たちはいろんな噂話を聞くでしょうし、これ以上弟子たちを萎縮させたくないという思いでした」と、弟子への悪影響を最も心配していた。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180925-00000017-jct-ent
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