芸能界の有名な都市伝説に「ねるとんの中森明菜事件」という話がある。
これは1988年から89年にかけて発生した連続殺人事件「東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件」にまつわる都市伝説である。この殺人事件があった89年に放送された、とんねるずMCのフジテレビ系バラエティ番組『ねるとん紅鯨団』にて画像が乱れる放送事故が発生。
番組は途切れ途切れになり、まともに見れた状態ではなかったのだが、乱れていた映像が元に戻った際、司会を行っていた石橋貴明がこの日のゲストの中森明菜にこんな質問をぶつけた。
石橋「明菜さん、理想のタイプは?」
中森「はい。ミヤザキツトムさんです」
石橋「???(俳優の)山崎努の間違いじゃないの?」
中森「あっ!なんでだろ。ミヤザキツトムって」
石橋「違う名前が頭に浮かんだの?」というやりとりが放送された。後日、フジテレビは放送事故を謝罪したのだが、その数日後、緊急ニュース速報で世間を騒がしていた女児連続殺害事件の犯人が逮捕され、日本全国を震撼させた。その犯人の名は「宮崎勤」。中森明菜が言い間違えた「ミヤザキツトム」と同じ読みの人物だったのだ……という都市伝説である。
これは「放送事故が犯人逮捕を予告した」とたびたび語られる都市伝説であるが、放送事故が発生していたのは事実で、1989年6月18日には読売新聞ほかいくつかの新聞で報道もある。当時の新聞によると、『ねるとん紅鯨団』の放送中に約10分ほど映像と音声が乱れる事故が発生。原因は電波を送り出している関西テレビの自動プログラム制御装置が故障したのが原因だったという。
なお、『ねるとん紅鯨団』は当時の大人気番組で、関東では20.6%の高視聴率(平均視聴率、ビデオリサーチ調べ、関東地区)を稼いでおり、視聴していた人も多かった。現に当時、フジテレビには一時間あまりで700本近い視聴者からの問い合わせ電話があり、同じく視聴者の多かった系列局の東海テレビには約400本の問い合わせがあったという。
つまり、真相はともかく、放送事故および中森明菜が「ミヤザキツトム」と発言したのは事実で、原因は不明だが奇妙なシンクロニシティと都市伝説ファンの間で囁かれている。
文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180729-00000009-reallive-ent
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