サッカーのロシア・ワールドカップ(W杯)で優勝したのはフランスだが、「アフリカの優勝だ」との主張が膨らんでおり、世界的に議論を呼んでいる。
フランス代表23人のうち、主力のFWキリアン・エムバペやMFポール・ポグバを含む大半がアフリカにルーツを持つ。だが、上記のような主張に「ナンセンスだ」とするフランス人アスリートの反論も根強くある。
■フランスや欧州は「意義と強さを評価すべき」
ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、W杯の結果をみて次のように述べた。
「フランスが優勝したが、アフリカのチームのように見えた。実際のところはアフリカの優勝だ。フランスへのアフリカからの移民だ」
2018年7月16日に同国で開かれたイベントでの発言として、「ガーナ・サッカーネット」やAFP通信などが報じた。「フランス、そして欧州全体が、『南半球やアフリカ、ラテンアメリカの人々』の意義と強さを評価すべきだ」とも訴えた。
フランス代表はアフリカにルーツを持つ選手が多い。決勝のクロアチア戦(4-2)でも得点したポグバは両親がギニア人で、2人の兄はギニア代表選手。エムバペは両親がカメルーン人とアルジェリア人だ。
全7試合に先発出場したMFエンゴロ・カンテも、両親がマリ人の移民。DFサミュエル・ウムティティはカメルーン出身。ほかに5試合出場のMFブレーズ・マテュイディら、16人がアフリカやラテンアメリカに何らかのルーツを持つ。
W杯優勝国をめぐる議論は、「移民の国」米国でも起きた。南アフリカ出身で黒人の母をもつコメディアン、トレバー・ノア氏は米テレビ番組「ザ・デイリー・ショー」で、「W杯の真の勝者はアフリカだ」と発言し議論に。19日には自身のツイッターで、
「アフリカンだと言ったのは、彼らがフランス人であることを否定する意味ではない。私と同じようにアフリカにルーツを持つ人たちだという意味で言ったんだ」
と釈明した。だが2000件以上のリプライが届き、なおも賛否の声が相次いでいる。
ルーツについて、実際にフランス代表選手が反応する場面もあった。スポーツメディア「SPORF」がツイッターで18日、「全員がフランスのために1つになった」として、19人のフランス代表選手の名前とともに、マリ・カメルーン・ドイツなど、それぞれの選手がルーツにもつ国旗の絵文字を並べて投稿した際のことだ。
名前があげられたDFバンジャマン・メンディがツイッターで反応したのだ。すべての国旗をフランスの絵文字に統一し、「変わらない」とリプライを送っている。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180720-00000017-jct-ent
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