西日本を襲った記録的豪雨の爪痕は深く、被災地での死者は200人に上った。豪雨は各地で予定されていた芸能イベントも直撃。主催者の判断によって、「中止」「決行」「延期」に対応が分かれた。
「中止」は、女優・のんが登場し、大阪駅で開催されるはずだった「JR西日本2018年度夏期ホーム転落防止CPイベント」や、
歌手・ゆずの広島公演コンサート、ファンクバンド・在日ファンクらが出演予定していた「ROKKO SUN MUSIC2018」(兵庫・六甲カンツリーハウス)など。
一方、「延期」は、歌手・大塚愛の「大阪七夕スカイランタン祭り」、高知、佐賀で行われる予定だったパンクシンガー・竹原ピストルの全国弾き語りツアー“GOOD LUCK TRACK”など。いずれも振り替え公演の時期は未定としている。
豪雨被害は中国地方の基幹インフラに大打撃を与えたため、物理的に開催できなかった芸能イベントも多そうだが、過度な“同調圧力”によって、泣く泣く「中止」の判断を強いられたとしたら、それはそれで問題だろう。
ネット上では大きな災害が起こるたびに「自粛」「不謹慎」の言葉が飛び交う。今回もモデルの山田優がインスタグラムで「失礼すぎるし無神経」と批判にさらされた。こうした圧力に屈し、何もかも中止するのは日本経済にもよくないという。
日本リサーチ総合研究所主任研究員の藤原裕之氏がこう言う。
「7年前の東日本大震災の教訓として、多くの人が自粛ムードより早く従来通りの消費活動に戻すことが重要ということを学びました。災害直後は、自粛ムードが優勢になりがちですが、企業は応援消費という形で消費マインドを回復させる必要があります。
こうした取り組みを叩く人もいますが、実際には応援している人も多いのです。そのことを考えると、コンサートなどのイベントは極力行った方が経済の冷え込みが軽減して、消費者マインドも早く回復するのではないでしょうか」
実際、東日本大震災後は、続々と舞台やコンサートが「中止」を決め、損害額は数十億円に上ったとされる。今回も、2日間予定されていた、ゆずの広島公演は、グッズの売り上げも含めると損失額は数億円単位に上るとみられている。
「これから、広島県、岡山県などの中国地方は盆踊りや企業の納涼祭りが始まります。それが一斉に中止されたら、子供やお年寄りが、がっかりするだけでなく、イベントに招かれている関西圏の芸能人の懐も直撃しかねません」(地元イベント関係者)
ただでさえ、芸能界はCDが売れず、タレントのギャラは下がる一方で中小の芸能プロがバタバタと潰れている。ここは“不謹慎狩り”なんかに屈さず、踏ん張る時ではないか。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180714-00000006-nkgendai-ent
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