経済アナリストの森永卓郎が、ラジオ番組に出演し、早まる就活を背景に「モリタク式 生涯年収ランキング」を提言。大卒男子生涯年収について解説した。
就活の大きな基準「給料はいくらなのか」に提言!
就職活動情報大手のマイナビの発表によると、来春卒予定の大学生の就職内々定率は3月末時点で9.5%。去年の6.3%を上回った。企業の選考活動も前倒しになり、就活シーズンは早くなっている。森永は、学生が就職する企業を選ぶ大きな基準は年収、それも生涯年収であるという。
あちこちのメディアが生涯年収ランキングを出している。お金だけでないとはいえ、この業界に入ったらどれだけ一生の間に稼げるのかが業界選びの大きな指標であることは間違いないとのことだ。
現実と離れている~厚生労働省「賃金構造基本統計調査」の生涯年収は平均2億8千531万円
この年収ランキングを作るときに、一般的に使われているのが厚生労働省の賃金構造基本統計調査、賃金センサスと呼ばれているものである。これは標準労働者という転職しないで、ずっと定年まで勤め続けている人だけを選び出して、どのぐらい給料をもらっているかが、統計で見られる。
大卒の場合、22歳で就職して、22歳の年収から60歳まで単純に足し上げるという作り方だが、この統計によると大卒男子の生涯年収はいま全産業を合わせて平均2億8千531万円だ。かつて大卒生涯年収は3億円と言われていたのだが、ちょっと目減りしているのが現実となっている。
現在の「生涯年収」は中高年のいい時代の給料に積み上げられたもの
しかし、森永は「この生涯年収の金額は間違っている」と公言する。今の学生にとっては「どれだけこれからもらえるのか」ということが重要である。ところが、この一般的に使われている生涯年収ランキングというのは、いい時代に会社に入って、若い時代にボンボン昇給していまがある人の統計である。森永は「いまの22歳は生涯年収がそこまでいかないだろう」と指摘する。
給与体系が変わって昇給がかつてのように20代のうちに年収1,000万円になるということはない。ただ、日本は労働条件不利益変更禁止の法理があり、一旦給料を上げてしまうと下げられない。昔良かった時代にドンと給料が上がった人たちがたくさん残っている会社は、その人たちの給料はドンとある。でも若い人はそのしわ寄せで少ないままでなかなか昇給していかないとのことだ。
モリタク式「賃上げ積み重ね方式」~実質の大卒平均生涯年収は2億4千201万円
だからこれから就職しようと思っている学生たちは、生涯年収を一つの指標にするのならば、よかった時代の昔の人たちの生涯年収ではなくて、「これから定年まで勤めたらいくらもらえるのか」というものを調べなくてはいけないと主張する。
森永は「生涯年収の計算を、賃上げ積み重ね方式というのでやるべきである」と言う。
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いま、23歳の社員がいたとする。この人は去年は22歳だったわけです。去年22歳だった人が23歳になる過程でいくら賃上げしたかというのは統計でわかる。今年の統計と去年の統計を見れば「22歳から23歳にこれだけ上がります」というのをずっと定年まで積み重ねていけば、「いまのペースで上がっていったら、生涯いくらもらえるのか」という生涯年収は推定でできるという。
森永が実際にやってみたところ、全産業の大卒男子平均は2億4千201万円。先ほどの厚生労働省のものと比べると、4千330万円下がる。大学を出ても生涯的には2億4千万円くらいしかもらえない、というのが、いまの生涯年収の本当の姿のようだ。
大卒の年収は生涯800万円を超えることはない!
衝撃的だったのは、通常使われている生涯年収のデータで見ると、大卒のサラリーマンは50歳代になると平均年収が1千万円を超える。
サラリーマンで勝ち組と呼ばれる1千万円を平均で超えているのが現状だが、森永の推定によると定年まで働くなかで大卒男子の年収は最高でも700万円代にとどまるという。年収800万円を超えないというのがいまの大卒男子の生涯賃金であり、もう昔と違うのが現実となっている。
これからの注目職種は電気・ガス会社などの熱供給業
さらに驚くのは、業種別に見ると、常識を覆す結果が出ているという。どこの業界が一番給料が高いか、発表されているデータで見ると金融保険業だった。銀行とか証券等である。この金融保険業の生涯年収は3億3千448万円。
かなりもらえる。ところが森永の推定する新生涯年収によると、2億7千903万円ということでかなり落ちる。発表されている大卒の平均年収は2億8千500万円だが、それよりも下になっている。
なぜ、こんなことが起こっているかというと、銀行はAIの普及でどんどん人がいらなくなるためであるという。現在、万単位のリストラ計画を立てている上、低金利で儲からなくかってきているため、かつてのような高い給料を払えなくなってきているのだという。金につられて銀行や証券に行くのはやめたほうがいいとのことである。
実は今回の推計で異彩を放ったのが、電気、ガス、水道、熱供給業などのインフラ企業だ。発表されている生涯年収でも3億1千90万円と高い。森永の新生涯年収でも2億6千994万円。銀行・証券業界に迫る金額となっており、金融業のいまの抑え込み方がさらに続くとすると、近い将来、インフラ企業が抜く可能性もある。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180415-00010022-nshaberu-ent
みんなのコメント
中産階級は貧困層に総崩れする。その前提で自己の生活防衛に準備行動しなければならない。
残された時間は少なく大都会に明るい未来はほぼないない。
しかも、少子高齢化の日本はこれ以上の経済発展、特に工業分野は右肩下がりになれば、電気、ガスのインフラが急速に発展することはない。
水なんかも地方自治体が予算なくて老朽化して、とうの昔に更新しなくちゃいけない埋設管を放置してるのが問題になってる。
今は年収高いから将来も有望とか、このオッサンの話しは聞くに値しない、ってのがよく分かるね(笑)
どこかで道を間違えたのだろうか?
三橋貴明の方がよっぽど為になる。
ちょっと経済とか詳しい人なら国がどんだけやばい状況かは明白なんだけど、残念ながら(移民受け入れみたいな)劇薬的な物を除けば事実上すでに打つ手なしだからなぁ…今の子供には申し訳ないです。
子供になにを勧めていいかもうわからない。
それは、CM②の後で。\\
今後伸びり産業は実は原子力だ
いつか伝えてあげたい
営業してるのも見ないし。
年収400万円だって
それなりに楽しくやってる
逆に年収1000万を稼ぐために
仕事日明け暮れ家庭を失う人もいる
私は人並みの年収だがもう少し収入がほしいな
って思っている。
その思いが仕事のモチベーションの
ひとつになっていると思う
何処の大卒によるけど。
今時年収3000万でも高所得とは言えない。
独自性があり且つ他が追随出来ないもので、市場性に富む?なかなか難しい。もしくは先駆け的に市場をつくり、皆が来た頃には既に他を手掛けるとかのやり方かな。言うは簡単だがやるは困難。
卒業して10年経った元学生が今も卒業時に就職した会社にいるか本人や実家に電話して追跡調査してる。
ここでもやっぱり離職率低いのはガス・電気・水道やな。ワーストは相変わらず外食産業。
ガス会社に人生を捧げたいです。
1日中ガスのことだけ考えて人生を全うしたいです!
真の目的は天然ガス輸入量が多い東京電力をニチガスを使ってガス小売に参入させることじゃないかと思うのだけど。
必ずしもガス業界全てが安泰な訳ではないですよ。
そんな高給取りの今の上司に憧れはないね。
儲かるのはいいことだが、人それぞれで自分に合う職業について納得のいく生活を送れば、それでいいのでは。
というのは若い世代が業界を敬遠し、現場で経験を積んだうえで資格を取得している職人が枯渇している。外国人が現場を席捲しつつあるが、言葉の問題もあって現場を統括するような責任者はやはり日本人でないと無理だという。
ちなみにゼネコンより電気や配管等の設備関係の技術者の方がベター。建設業界の中でも特に技術や経験が要求される分野なので敬遠されがちで、現状でも危機的なくらい人材が枯渇している。
残業や休日にばかり目を向けるのではなく、トータル的なものの見方で業界や会社を選択すべき。
現実は2億も行かない人がほとんどだろう。
普通に大学でて、会社勤めなんかしてたら苦労しかないよね。