6月23日に公開された“ゾンビ映画”「カメラを止めるな!」の快進撃が止まらない。
メガホンを取ったのは気鋭の上田慎一郎監督(34)。監督&俳優養成スクール・ENBUゼミナールの「シネマプロジェクト」第7弾作品で、出演者はオーディションで選ばれた無名の俳優たち。
製作費はたった300万円。都内の劇場2館でひっそりと封切りされていたが、指原莉乃や水道橋博士らのツイートや口コミで評判が広がり、新宿K’sシネマでは公開初日以来、72回連続で満席を記録。連日、満員御礼状態となった。
その後、全国8館で上映され、7月22日時点で、動員数2万4928人、興行収入3858万5390円を記録する異例のヒット作となった。7月28日には全国約100館で公開されることが発表された。
製作・配給を務めるENBUゼミナール代表の市橋浩治氏も連日の満席状態、反響にビックリしているようだ。
「作品の面白さと予想を裏切る展開が評価されたのだと思います。試写会を見ていただいた著名人らの口コミで広がり、マニアだけでなく、若者からお年寄りまで、普通の映画ファンが見に来てくれます。製作費も少ないですが、テレビや新聞、ネット広告などのメディア宣伝費もほぼゼロで、かかったのはチラシ代くらいです」
記者も劇場で見てみたが、大爆笑シーンの連続で観客の一体感に驚いた。作品は前半と後半に分かれており、前半の37分ノーカットのゾンビが人間に襲いかかるシーンはチープで迫力がなく、演出がチグハグしている場面が多い。
期待外れかと思いきや、なぜか周りの客はゲラゲラ。後半の舞台裏映像を見て納得した。“種明かし”みたいに見事にストーリーがつながるのだ。指原がSNSで“2回見た”というように、リピートの客が多いのもうなずける。
映画ジャーナリストの大高宏雄氏が言う。
「最近、邦画の実写作品は厳しくなっています。人気コミックの原作、ベストセラー小説の映画化も最近は飽きられています。
しかし、『カメラを止めるな!』は原作なし、予備知識なしの異例の作品です。観客はそこに面白さを感じたのだと思います。初めに37分間のゾンビシーンがあり、その後、メーキング映像が流れるのですが、どういうふうにゾンビのシーンが作られたのか、
見ている側のイマジネーションを求められ、つじつま合わせをさせられるのが非常に面白い。マスコミにも取り上げられ、今後、TOHOシネマズなど全国で拡大公演されることを考えると、興収5億円に届くのではないでしょうか」
“感染者”が続出しそうだ。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180803-00000010-nkgendai-ent
みんなのコメント