12年にテレビ朝日を退社し、フリーで活動する佐々木正洋アナウンサー(64)が、22日に東京・三越劇場で開幕するシェークスピアの舞台「リア王2018」(上演台本、演出・横内正)で俳優デビューする。
局アナ時代、「ワイド!スクランブル」の「夕刊キャッチアップ」のコーナーを16年間務めた“昼の顔”がインタビューに応じ、初舞台への心境を語った。
8月上旬の都内の稽古場。Tシャツ、ジャージー姿で額には大粒の汗。若手の役者たちに交じり、初演出となる横内の指導に、熱心に耳を傾けていた。
「自分の出番が近づくと、ドキドキしちゃってね(笑い)。今になっておじけづいています。皆さんの『和』でここまで盛り上げてきたものを、僕が壊すわけにはいかない。必死ですよ、必死です…」
演じるのは、国の政治を憂う紳士。県知事クラスの身分で、リア王(横内)を巡る国のゴタゴタに危機感を覚えている役どころだ。ともに北九州観光大使を務める縁で横内と出会い、トントン拍子で出演が決まった。
「横内さんの事務所の方に、出演を打診されまして。冗談だろうと思っていたら、あれよあれよという間に。光栄どころか恐れ多いですね」
大学時代、文学座の研究生や俳優を目指す学生らと舞台「十二人の怒れる男」を上演したことがあるが、実力差を痛感して挫折。それ以来、40数年ぶりに舞台に立つ。
「素人の客演ほどタチの悪いことはない。人生で初めてです、目立たなければいいと思ったのは(笑い)。ここまで来たら、がむしゃらにやるだけです」
テレ朝退社後、収入は激減。「カミさんに『1億円稼ぐ』と豪語し、土下座してフリーになったのに。本人は面白い毎日でも、カミさんは『面白いのはあなただけだ』って…。いつかあの鼻を明かしてやりますよ!」と豪快に笑った。
「『もう手遅れだぞ』と言われる年かもしれないけど、そうは感じていない。やれる所までやってやろうという思い。これだけ『面白い』と思える世界はないので、必死に食らいついていこうと思う」
新人俳優の熱い夏は続く。
〇…アナウンサー出身の俳優といえば、昨年6月に亡くなった野際陽子さんが、その元祖だ。近年はTBS系「ルーズヴェルト・ゲーム」(14年)の平井理央アナ(35)を始め、同局系「下町ロケット」(15年)の高島彩アナ(39)、4月期の同局系「ブラックペアン」の加藤綾子アナ(33)らフジ退社組の女子アナが目を引くが、俳優業をメインとする人物は少ない。
◆佐々木 正洋(ささき・まさひろ)1954年7月17日、福岡県北九州市出身。64歳。慶大法学部卒後の77年、テレビ朝日入社。「アフタヌーンショー」「モーニングショー」「CNNニュース」で司会、実況、リポーターを歴任。アントニオ猪木の“闘魂ビンタ”を受けた元祖。2012年4月に独立。駒沢女子大学で講師を務め、身体文化論を教える。174センチ。72キロ。血液型B。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180814-00000189-sph-ent
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