俳優の伊藤英明が、漫画『北斗の拳』とボディーケア商品「デ・オウ」のコラボCMで主人公のケンシロウ役を演じ、その再現度の高さと振り切った“バカ演”で話題となった。
近年、竹野内豊がCMでシュールな役柄を演じたりと、ミドルクラスのイケメン俳優が“おもしろオジサン化”し、新たな魅力を視聴者に提示することが増えている。イケメン俳優が30歳を超えて変化する理由とは? 若手イケメン俳優“一個小隊推し”の狭間で揺れるオーバー30俳優の生き残る術を探る。
■オーバー30イケメン俳優の新たな魅力? “バカ演”で引き出しの多さをアピール
伊藤がCMで演じたコミカルなケンシロウ役に対し、SNSでは「実写化は止めてほしいけどケンシロウが伊藤英明なら許せる」、「伊藤英明さんのケンシロウのCMじわるんやけど」などと評価する声が上がっている。『北斗の拳』の作画・原哲夫氏も「漫画の世界観をよく理解してくれている」とコメントするほど。
伊藤はこれまでドラマ『救命病棟24時』(フジテレビ系)の医師役や、映画『海猿』シリーズの海上保安官役、映画『悪の教典』でのサイコパス教師役など、演技派俳優として王道を走ってきた。そんな中、今回のCMではケンシロウになりきって、「お前はもうニオわない」という決めセリフを言い放つインパクトある“バカ演”を披露している。
また、竹野内も数年前から“おもしろオジサン化”し、新たな魅力を獲得している。東京ガスのCM では「ガスの仮面」として目元を仮面で隠した格好で登場。
さらに、大和ハウスのCMでは、天井が低いところが好きだが家族には言えない夫役をコミカルに演じた。こちらもネットでは大ウケで、「竹野内豊が出演してるCMは全部おもしろいなー笑」といった声や、「カッコよすぎて普通のかっこいい人はやらせてもらえなくなったんだな…」といった深い意見も。
そして、竹野内が出演した映画『ニシノユキヒコの恋と冒険』の井口奈己監督は、「竹野内さんは、演技力とかそういう基準では語れない良さがあるんです」と説明。昨今の竹野内が見せる俳優としての多面的な魅力を語っている。
■若手イケメン俳優が大渋滞 “王子様推し”の中から抜け出す方法とは?
こうした30代以上のイケメン俳優による“おもしろオジサン化”は、“30歳の壁”が起因しているのではないだろうか。というのも、若手のうちはルックスや王子様キャラなどで売っていける。
しかし、昨今はジャニーズをはじめ、EXILEを筆頭とするLDH所属の俳優のほか、『仮面ライダー』などのヒーロー出身者や、『テニスの王子様』や『刀剣乱舞』などの2.5次元俳優なども人気。このように、イケメン俳優や王子様キャラが雨後のタケノコのように出現し、大渋滞を起こしているのだ。
しかも、イケメンファンといえば、顔だけのファンである“顔ファン”などの言葉もあるように、若いタレントにすぐに流れてしまう“浮気性”の傾向もあるという。複数のファンを掛け持ちする“カケモ”も多く、若手イケメン俳優は、演技の実力の他に“プラスアルファ”がなければ、団子状態の中から抜け出すことができないのだ。
■パーソナルな部分を解放した山田孝之と斎藤工、“30歳の壁”をブレイクスルー
そんな中、イケメン俳優の斎藤工は“30代の壁”をブレイクスルーした1人と言える。2014年にドラマ『昼顔』(フジテレビ系)で不倫する教師を演じ、その演技力が高く評価さる一方で、15年には日清『カップヌードルライトプラス』のCMで頭に野菜を乗せた“野菜男”となってジャブを放つ。さらに、16年の年末『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 絶対に笑ってはいけない科学博士24時』(日本テレビ系)で、芸人・サンシャイン池崎のネタをカバーした“サンシャイン斎藤”としてハイテンション芸を披露し絶賛を浴びたのだ。
斎藤は演技派としての確固たる土台の上に“コミカルさ”を積み重ね、演者としての“幅の広さ”を印象付けただけでなく、「なんでもやる」、「なんでもできる」という制作側へのアピールにも成功している。クールに振る舞うだけではない、親しみやすさで男性ファンの好感度が増した点も大きい。
同様に、俳優・山田孝之も当初はドラマ『世界の中心で、愛をさけぶ』(TBS系)など正統派若手イケメン俳優として活躍していた。だが、ORICON NEWSのインタビューで山田は「20代の頃は、なんでこんなにつまらないのに生き続けなきゃいけないんだ? “生きるのめんどくせぇ”とずっと思っていた」と苦悩を明かしている。
そのため、本人が「30代ってやりたいことがやっとできるようになってくる年代なので、とにかくやりたいことをやればいい」と言うように、年を重ねるごとに自身の趣味である“ゲーム好き”や“アイドル好き”といったパーソナルな部分を解放。昨今は特に、CM、ドラマ、映画で“振り切った演技”を見せ、幅広い層の支持を獲得している。
山田もそうであったように、30歳前後がイケメン俳優にとっての節目となるのは間違いない。イケメン俳優の枠から抜け出し、コア・コンピタンス (ほかに真似できない核となる能力)をどう確立するかが、その後の俳優人生の成否を分けることになりそうだ。
■一方で“おもしろオジサン化”失敗の可能性も!? リスクを背負う“覚悟”も問われている
他方、昭和の大俳優・石原裕次郎や高倉健、吉永小百合といったキラ星たちは、“作られた役”に乗る必要がなく、自分の持つイメージで乗り切ることができた。先日、俳優業を引退した田村正和なども同様で、他には代えがたいスター性で“プラスアルファ”が必要のない役者もいる。
つまり、ファンが望むものと役者としての表現が乖離しすぎた場合、それまで築き上げた“幻想性”が崩れ、視聴者やファンを白けさせてしまうリスクもある。一概に“バカ演”に走ったり、キャラ変することが必ずしも正解ではないのだ。だからこそ、“おもしろオジサン化”が失敗するリスクも理解し、そのうえで挑戦する覚悟も問われている。
大渋滞する俳優界では、30代となってルックスや勢いだけで主役を張れるわけではない。ましてや、20代にはルックスと若さを武器にした“イケメン俳優一個小隊”が大増殖するなど、下からの突き上げもある。
そうした厳しい生存競争を勝ち抜き、今後どんな“おもしろオジサン”俳優が登場してくるのか楽しみだ。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180605-00000349-oric-ent
みんなのコメント
俺も年取って前ほど芸能人に興味ないだけかも知れないがw
CMは単価が高いから何でもやりますよ、そんなもので役者の幅が広がったとは思わない。
若い頃のイケメン筋肉系イメージで損してる所あると思う
よく三谷幸喜に使われる奴が出す雰囲気
ネットもあるしイベントが多いから昔に比べて露出度が増えてるだけの話しで、20年先まで生き残ることが出来るのはごくわずか。
ほとんどの「イケメン」が渋滞しながら消えていく。
別に惜しいとも思わん。
それは別にして海猿シリーズが続いてればねって思う
若い頃の素行も有るしマッチョイケメンなんて
珍しくなくなってきたから大変だろうな~
藤木直人も反町隆史も竹野内豊…などなどカッコいいのに結局なんでもキムタクキムタク…。
でも、アニメのキラキラ顔と遠い人が役をやるのもなんですけどw
最近のはお笑い芸人の台頭で、むしろ「こんな人がこんなキャラ演じるの?」と言うような振り幅が受けて居るように思えるのです。
最近新たなキャラで、ブレイクしている俳優さん達はその振り幅もちゃんと演じる真剣さと突き抜け感が受けているように思えます。
演出によって左右されちゃう俳優さん達は大変ですね。
そしてイケメンというだけで主演連発するから演技力が伸びない。
どんな綺麗な人もイケメン俳優も年にはかなわない
両方できれば、仕事の幅も広がるし、意外性も受けてファン拡大にもつながる。
次々と新しい役者は出てくるけど、あとは生き残れるかどうか、弱肉強食ですからね。。
同じ顔がゾロゾロ居すぎて名前を覚えられんわ。
俳優は役者なのだから役で笑いを取るのは良いけど、お笑いタレントのような事をする必要はそれほどないと思いますよ。
面白く振る舞うのはあくまでもサービスでしょ。
CMに限らず、セクシー路線でブレイクした斉藤工がお笑い芸人のマネをしたり、若い頃はスタンダードなイケメン俳優だった原田龍二が奇抜な恰好をして喜んで仕事をしたり等。逆に清々しい気分になる。
多種多様な芸風が出来ず、いつまでも2の線を求めたら
キムタクみたいに、どうしようもない仕上りで
仕事無くなるのがオチ
演技、表現力や肉体作りなど。
顔がいいってだけでそれに頼ってばかりだと必然的に消える。
無理した若づくりコーディネートで痛々し過ぎて消えて行ったのも沢山いる。
俳優の生き残りって言うより、問題は日本ドラマ陣の脚本、監督のレベルじゃないの?
ストーリーのシリアスさや緊迫感からすぐに逃げ出す様にコメディー要素を入れる。
最近は少し変わってきたかなって印象だけど、まぁ全く見てないのでCMだけの印象だけど。
3人とも少し年を重ねて、だんだんと個性が出てきたかな~とは思うけど。
中川大志くんあたりがそんな風にならないといいな、と危惧してます。
おっさんずラブを見て思ったけど、主役ばかりじゃなく、脇役としてもいい演技をしていた役者さんはやっぱり違うな~って思いました。
田中圭さんは大ブレイクした時期はないように思うけど、気づけばずーっと連ドラ界にいて、切れ目なくずっと出ている感じ。
必要とされるだけの演技力と、人柄のよさもあるんだろうな、と思いますね。
で、タイミングをモノにして「個性」として横並びから一歩飛び抜けて出て来れる人が少数…って感じなのでは?
実例あげろよ
生まれ変わったね笑
良い演技が見られる機会が多くなるということだと感じます。
「渋滞」の意味がよくわかりませんでした。