フジテレビの人気ドラマを映画化した「劇場版 コード・ブルー ―ドクターヘリ緊急救命―」(7月27日公開)が絶好調だ。観客動員数は500万人、興行収入は64億円を超えて100億円に迫ろうとしている。人気ドラマシリーズの映画化であり、ヒットは当然との見方もあるが、大成功の裏には、フジの並々ならぬ覚悟があった。
最近のフジは高視聴率ドラマが減少し、とりわけ“月9”は苦戦が目立つ。そこで、満を持して放送されたのが昨年7月期の「コード・ブルー THE THIRD SEASON」だった。
この「3rd」の制作決定と同時に映画化も決まったのだが、そこに至るまでが険しい道のりだった。フジとジャニーズ事務所の間で調整が難航し、企画が暗礁に乗り上げる寸前だったらしい。
「フジがドラマ『コード・ブルー』の制作前にジャニーズ事務所に打診したところ、主演の山下智久を降板させて若手のジャニーズタレントを主演にできないか、逆に打診されたというのです。それだけではありません。
若手色を出すために、それまでの主要メンバーは成長して病院を出ていったという設定に変えてほしいという話でした。
彼らはスポット的に出演することはあっても、これまでとは全く違った設定に変えることが、ジャニーズ事務所がドラマ制作に協力する条件だったのです。それは映画に関しても同じでした」(芸能事務所関係者)
ほかの研修医についてもジャニーズの若手を使うことが条件に含まれていたようだ。しかし、フジはこの要求を突っぱねたという。
「どうしても山下を使いたいというより、新垣結衣を降板させるわけにはいかないというのがフジの本音でした。そもそも『コード・ブルー』はガッキーの出世作であり、その前年の『逃げ恥』で再ブレーク。ガッキー頼みの『3rd』と言っても過言ではありませんでしたからね」(前出の芸能事務所関係者)
最終的に、ジャニーズ側が折れる形で、山下の同ドラマ主演が決まる。とはいえ、もし、これが失敗していたら、山下の立場はますます危うくなっていたに違いない。
「2年前に放送されたTBS系の連ドラ『せいせいするほど、愛してる』は、滝沢秀明ではなく山下が主演する予定でした。
しかし、山下は同時期に中国映画『解碼遊戯』の撮影が入ったため、ドラマのオファーを断ったのです。映画の出演を勧めたのは、
稲垣吾郎たちと一緒にジャニーズを退所したSMAPの育ての親である飯島三智氏でした。どちらに出演するか決断を迫られた山下は中国映画を選択。
この決断に事務所は激怒しました。さらに、中国映画は完成はしたものの、日本での公開は未定。このままだと日本公開が見送られる可能性すらあります。山下の事務所内での立場は今も深刻な状態といえます」(前出の芸能事務所関係者)
ところが、いざフタを開けてみると、同ドラマの平均視聴率は14.6%を獲得。従来のファンに新たなファンを加え、昨年の勢いそのまま映画の大ヒットとなった。もっとも、山下のジャニーズでの地位が回復したわけではない。
「映画が成功したからといって、今更、ジャニーズが山下を優遇するとは思えません。山下にとっても、ジャニーズに残る理由はますますなくなりつつあります。
去る者を追わないし、邪魔もしないのが今のジャニーズです。飯島氏率いる新事務所カレンの『新しい地図』は好調ですし、稲垣吾郎は民放ドラマにも出演しました。山下のカレン入りが現実味を増した感じです。独立はそう遠くないでしょう」(芸能ライターの弘世一紀氏)
コード・ブルーの成功は、崖っぷちだったフジと山下も緊急救命したようだ。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180826-00000008-nkgendai-ent
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