コラム【今週グサッときた名言珍言】「僕ら好感度を落とそうと思って、あれをやったんです」(伊達みきお/テレビ朝日「イッテンモノ」9月5日放送)
いまや伝説と言っても過言ではないコーナーがある。「バイキング」(フジテレビ)の「地引き網クッキング」だ。いまでこそ「バイキング」は、坂上忍を軸にした「生ホンネトークバラエティー」だが、番組開始当初は、お笑い色も強かった。その中でも出色だったのが「地引き網クッキング」だ。
サンドウィッチマンの2人が日本各地の海岸に赴き、地元の人たちが集まる中、地引き網漁を行い、その場で調理するコーナーだった。
だが、生放送ゆえにハプニング続出。目当ての魚が捕れないことも少なくなく、ついには「見ている人も共犯だ」と、堂々と「やらせ」宣言までしたりもした。そして、なんといっても目が離せなかったのは地元とサンドウィッチマンのやりとり。暴言を吐き怒らせてしまうこともあった。
今週取り上げるのは、そんな「地引き網クッキング」について、サンドウィッチマンの伊達みきお(44)が回想した言葉だ。彼らの思惑とは裏腹にこのコーナーの人気は沸騰。サンドウィッチマンの好感度も「逆に上がっちゃった」のだ。
伊達がお笑いの世界に足を踏み入れたのは、高校のラグビー部で一緒だった相方の富澤たけしに熱心に誘われたからだ。
伊達は既に親のコネで介護用品を扱う会社で営業の仕事に就いており、最初は断った。だが、富澤は諦めず、3年間にわたって伊達を説得し続けた。
仕事はやりがいもあり、営業成績も優秀。充実した日々を送っていた。しかし、就職して5年、転機が訪れる。大好きだった祖父が亡くなったのだ。
伊達は「あぁ、人生なんてあっけなく終わってしまう。急いでやらないと間に合わない」(オールアバウト「For M」16年5月15日)と実感した。
そうして会社を辞め、お笑いの世界に足を踏み入れる決意をする。上司は快く送り出してくれた。
「お笑いは人を笑わせて、和ませて、癒す。福祉のひとつの形だ」(同前)と。
東日本大震災を経て、彼らが自然な形でチャリティーに力を注ぐのは、最初から運命づけられていたのかもしれない。もちろん、彼らの好感度の高さはチャリティーだけが理由ではない。たとえば、そのコンビ仲の良さも大きな魅力のひとつ。
「人生を変えた人」を尋ねられると、お互いが相方の名前を挙げる。特に「富澤が誘ってくれなかったら、お笑いの世界には入っていないから」と言う伊達は、
もし富澤が死んだら「僕、この世界辞めますしね。ひとりではやらないです」(テレビ朝日「日曜もアメトーーク!」17年9月17日)と断言するほど。
そんな2人の好感度や信頼度は、ちょっとやそっとでは揺らぎそうもない。
(てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―)引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180916-00000006-nkgendai-ent
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