2013年のNHK朝ドラ「あまちゃん」で国民的人気となった能年玲奈改め、のん(25)が、独立をめぐって揉めた前所属事務所をこのほど訪れ“おわび”。再びのマネジメントを依頼したというので話題だ。
のんは2015年1月に個人事務所を設立。所属事務所レプロとの対立が明るみになった。その後、事実上の独立を果たし、16年7月に芸名を本名でもある「能年玲奈」から「のん」に改めて活動してきた。
歌手にCMに声優と、その後の仕事は順調にも見えたが、やはり古巣である大手事務所との独立トラブルはいまだに尾を引いているのだろうか。
のんには、来年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」への出演話があり、これを円滑に進めるためにも、和解しておく必要があったとの説も一部で報じられている。芸能リポーターの城下尊之氏はこう言う。
「どこの芸能プロであれ、元所属タレントを起用しないよう、たとえばNHKの制作に働きかけるようなことは一切ないと思います。
ただ、大河ドラマのキャスティングに名前が挙がっているとして、それを進めていくと、他の大手プロがいろいろ気を使って、
やりにくいという面はあるかも。今回もそうだとすれば、もうある程度は時間も経ったことだし、『そろそろ話をつけたらどうですか』と周りが水を向けたとしてもうなずけそうです」
レプロは今月上旬の面会を認めているが、「あくまで申し入れを受けただけで、何ら解決には至っておりません」と「和解」は否定している。ある芸能関係者の話。
「レプロ側は、のんが来社する情報が事前に漏れていたことに強い不信感を抱いている。和解するにしても、あれだけの騒ぎになった以上、すぐに『どうぞ』とはいかない。
再びマネジメントするのか、のんの新事務所との提携という形にするのか、まだ交渉のテーブルにも着いていないのが実情でしょう」
最近の芸能界では、所属タレント名を事務所が商標登録しているのだという。「月給5万円でパンツも買えなかった」などとレプロを激しく批判していたのんが頭を下げた背景には、14年の映画「海月姫」以来、
女優としてのオファーがなく、テレビ画面やスクリーンから遠ざかっているという厳しい現実がある。
もちろん、のんが勇気を出して声を上げた意義はあった。のんの独立騒動を契機にタレントと事務所の契約問題が相次いだため、
公正取引委員会が大手芸能事務所などを対象に独立や移籍を一方的に制限するなど、独占禁止法に抵触するような不公正な契約が結ばれていないかどうか、調査を始めたと報じられたのが昨年のことだ。前出の城下氏はこう言う。
「表立った動きはその後見られませんけれども、たとえば業界団体である日本音楽事業者協会作成の『専属芸術家統一契約書』を契約書のひな型として使うといった基準は作るべき時期だと思います。
タレントと芸能事務所との契約にはサラリーマンと会社のような雇用契約はなく、どちらも対等な立場の業務委託契約となっている。
ですが、大手プロが契約を解除するタレントに対して他での芸能活動はしないよう求めたりしていたのも日本の芸能界。方向性が違うとか、売れないから移籍したいというタレントの要望は昔も今もそう簡単には通らないでいるのです」
のんが風穴をあけた芸能界の独立、契約問題。その立役者にはなったが、女優としては開店休業という代償は大きすぎた。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181024-00000005-nkgendai-ent
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