女優の有村架純主演のドラマ『中学聖日記』(TBS系/毎週火曜22時)の第4話が10月30日に放送された。女教師と男子生徒との禁断の恋を描くラブストーリーと言えば、1999年にオンエアされ、高い視聴率を記録した松嶋菜々子、滝沢秀明がダブル主演を務めた『魔女の条件』(同系)を想起させる。2作はどう違うのか触れてみたい。
第4話。勉強合宿で、晶(岡田健史)への特別な感情に気付いた聖(有村)。彼女を心配する千鶴(友近)は、「生徒に本気になったら終わり」と諭す。
自分の思いは一時のものだと、聖は気持ちを新たに教師として晶に接する。一方、諦めきれない晶は、「花火大会の後に会いたい」と聖にメールをする。そんな2人の関係を愛子(夏川結衣)が疑い始め…。
本作と同じく学園ものである『魔女の条件』は、実はほとんど学校や授業のシーンもほとんど出てこず、生々しさがあまりない。
つまり年上女性とそれに恋する男の子の物語として成立していた。それでいながら2人の仲が発覚すると、
松嶋演じる女教師は結婚退職という形で学校を追われてコンビニの仕事を始めたり、果ては妊娠するなど、うまいタイミングでセンセーショナルに描かれ、「次が見たい」気にさせていた。
一方、『中学聖日記』は学校のシーンも多く、さらには甘美な2人の世界を丁寧に描いている。さらには「映像美」へのこだわりも見て取れる。モノクロ画面での心情の“独白”という試みもされているなど、意欲的な演出が散見できる。
だが大前提として、「道ならぬ恋」への強烈なアレルギーが巻き起こるご時世で、このテーマをあえて投げるのは大英断と言えるだろう。
そして、視聴者からどんな反応が返ってくるのか経過観察するという点では、ドラマ制作者から見れば
「社会実験」とも言える。また、最近は『逃げるは恥だが役に立つ』(同系)で見られるような、お互いが好意を持っていても思いを打ち明けられない登場人物が占める昨今のドラマにあって、
特に晶の聖へのストレートな愛の告白などは、むしろすがすがしく、ある意味、流れに逆らっている。この点でも、ドラマ界のエポックメイキング的作品といえる。
だが4話のラストで、2人の親密な仲が、いよいよ愛子や聖の婚約者・勝太郎(町田啓太)にはっきりとバレてしまう。この後どう展開していくのかが楽しみだ。(文:塚田均)
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181103-00060153-crankinn-ent
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