あまりに排外的ではないか――。制作姿勢への疑問や不満が噴出する番組が6日、放送された。フジテレビ系「タイキョの瞬間!密着24時~出て行ってもらいます!」と題した2時間の特番である。
放送直後からSNSなどで炎上騒ぎとなり、外国人問題に取り組む弁護士ら25人が連名で番組を制作したフジテレビに対し意見書を送ったことも明らかになった。同意見書は放送3日後には発送されており、いかに良識に欠け、問題の多い番組であったかがわかる。
同番組は「一定のファンがいて、放送すれば確実に視聴率が取れる」(某民放ディレクター)といわれるテレビ業界では鉄板の潜入密着モノだ。
強制退去をテーマに、不法占拠を取り締まる国交省の地方整備局や、民間業者が家賃滞納者に迫る現場に密着。なかでも非難ゴウゴウとなったのは、東京入国管理局の通称「入管Gメン」に関するシーンであった。
タレコミを受け、不法就労の疑いのある外国人が滞在するアパートや勤務先の工場に張り込んだ入管Gメンが在留カードの提示を求め、不法就労を確認すると拘束するシーンが複数回流れた。
前出の意見書には、外国人の拘束には入管の主任審査官が発付した収容令書、住まいへの立ち入りには裁判所が交付した許可状の必要性が説かれており、調査方法に対し疑問を呈している。
というのも、収容令書等を提示する映像が映し出されなかったからだ。いうなれば、刑事ドラマなら捜査令状、水戸黄門なら印籠を出す見せ場だけに、割愛するのは不自然と捉えられても致し方ない。
■「外国人の人権、名誉感情を著しく傷つける」
意見書を提出した弁護士メンバーである浦城知子氏は改めてこう指摘する。
「番組編集上、収容令書等を提示するシーンはカットされた可能性もありますが、一連の流れを見る限りその可能性は極めて低い。
結果的に超過滞在者や不法就労者が含まれていたとはいえ、番組で流れた調査方法は強引かつ適法性が問われ、人権、名誉感情を著しく傷つけるもの。日本に滞在する全ての外国人の平穏な生活をも脅かすことにつながりかねず、放送倫理上重大な問題があったと考えられます」
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181016-00000010-nkgendai-ent
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