90年代から2000年代にマリナーズをはじめMLBで活躍した元メジャーリーガーのマック鈴木さん(43)。アメリカでは移動バスで乱闘に巻き込まれたり、選手を介抱したりで、酒にまつわるエピソードも豪快!
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最初にお酒を一口なめたのは親戚のおじさんが家に集まった時に「ビール飲んでみ」と言われた小学生の頃。なめただけで、「こんなまずいもん、大人はなんで飲むんだろ?」と思いましたよ。
でも、大人になったら大好きになった。
マイナーリーグにいた時は、移動のバスの車内で選手同士でよく飲みましたねぇ。10時間どころか20時間や25時間のバス移動があると、やることがないから飲むしかない。
大きいゴミ袋にたくさん氷を詰めて、そこに各自買ってきたビールやらいろんな酒を放り込んで冷やしておく。みんなが飲んでいくうちに誰が誰のビールかわからなくなってね。
■移動のバスの中では殴り合いもしょっちゅう
飲んで仲良くなって話したり、トランプしたりするけど、マイナーだとストレスがたまってるから、ケンカが勃発するんです。
口論どころか殴り合いが始まって、周りは一応止めに入るけど、好き嫌いもあるし、人種や宗教上の違いもあるので、自分の味方が殴りやすいように相手を後ろから押さえるとかいろんな“止め方”がありましたね。
ドミニカ共和国人とベネズエラ人でもまったく違うし、些細なきっかけでケンカが起こる。ふつうは疲れて寝る選手も酒が入るとテンションが高くなるから。ケンカが原因で「バスでは禁酒」と監督から言われたこともありました。
僕は野球でもお酒でも「負けたくない」って気持ちがあったから、選手とのパーティーや飲み会ではよく飲みました。介抱する側でしたけど。
酔い潰れて誰かにホテルの部屋まで運ばれるってことはなかった。どこ行っても選手から「強いな」と言われ、メキシコに行った時に付けてもらったニックネームが「大ジョッキ」でした。ハハハ。
メジャーではローテーションに入ると、先発の2日前からは飲まなかった。中4日だから先発で投げた日の夜、翌日、その翌日の3日飲んで2日間飲まないのがお酒のローテ。アメリカって日本と違ってバーが午前1時くらいに閉まる。ナイトゲームが10時すぎに終わって食事して出かけても2時間くらいしか飲めない。でも、それがちょうどいい感じ。
■嫁は子供を授かってから飲まなくなった
クラブやスポーツバーではテレビでスポーツニュースを映してますから自分のチームの試合を見たり、他のチームの勝敗を見てワイワイ騒ぎながら飲むって感じ。
キャッシュオンの店が多いから最初にひとりの選手が7~8人分の酒を買ってきて、5分もしないうちに2人目が買ってきて、3人目、4人目と買ううちにテーブルが酒だらけ。当時はまだ数億円もらう選手が少ない時代だし、僕らはそんなにお金使わなかった。
引退して、お酒とのつきあい方は変わりましたね。現役の頃はいい試合ができるとホッとして飲んだけど、今は野球の達成感もストレスもないし、子供が2人できたこともあって、飲む量は減りました。それに今は飲めば飲むほど太るし、体力も落ちてるから。
嫁(クワバタオハラの小原正子さん)は東京で飲み屋をやっていたけど、店を閉めて子供を授かってから、僕よりもお酒を飲まなくなったようです。
2人目がいま1歳半でだいぶ落ち着いてきたから、たまに2人だけで食事する時、ワインをちょっと飲むくらい。それでも気づくと2人でワイン2本空けてますけど(笑い)。
(聞き手=松野大介)
▽本名・鈴木誠 1975年5月、神戸市出身。96年にMLBデビュー。シアトル・マリナーズやカンザスシティー・ロイヤルズなどで活躍後、2003年にオリックスで日本球界デビュー。11年には関西独立リーグの神戸サンズで監督を務める。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180806-00000001-nkgendai-ent
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