NHK連続テレビ小説「半分、青い。」(月~土曜前8・00)で朝ドラに初出演した俳優の豊川悦司(56)が“怪演”し“変人”を愛すべきキャラクターに創り上げた人気少女漫画家・秋風羽織は4日に放送された第81話で、創作に苦しむ弟子の鈴愛(永野芽郁)を思い「漫画を、もう、辞めたらいいと思います」と引導を渡した。
事務所の壁画に3羽の鳥と涙を青いペンで描き入れた。秋風の“ラストシーン”は、豊川自らが提案。インターネット上には早くも「秋風ロス」が広がった。
第81話は、鈴愛(永野)は締切から2週間遅れて漫画を完成。読み終えた秋風(豊川)は及第点の出来だと鈴愛に伝える。秋風塾で散々もまれて育った鈴愛は秋風の気遣いを含んだ答えに自分の限界を悟り、秋風と菱本(井川遥)に漫画家を辞める決心を伝える。
鈴愛の固い意志を感じた秋風は鈴愛をはじめ、自分の元を巣立っていったユーコ(清野菜名)ボクテ(志尊淳)ら元アシスタントたちへの思いを打ち明ける…という展開。
最後の秋風塾。「私はもう、あんなに好きだった漫画が苦しいだけになってしまいました」と涙ながらに打ち明ける鈴愛に、秋風は「漫画家を、辞めたらいいと思います。あなたはアイデアがとてもよかった。言葉の力も強い。
しかし、その構成力のなさは、物語を作る力の弱さは、努力では補えないと思います。漫画を、もう、辞めたらいいと思います」。その声は震えていた。
3人の弟子に生原稿を贈り、菱本は「あなた方3人は秋風羽織の生涯たった3人の弟子です」。そして事務所に1人、秋風は初めてサングラスを外し、オフィス・ティンカーベルの壁画に3羽の鳥と涙を青いペンで描き入れた。秋風の目は真っ赤、涙をため、今にもこぼれ落ちそうだった。
SNS上は「トヨエツ、カッコいい。三羽の鳥たちが巣立つ。一筋の涙。ああ、秋風羽織ロス」「秋風先生の表情。サングラスの奥で泣いている瞳。鈴愛への言葉。最後の素顔公開しての落書き。すべて良かった。秋風神回。
ロスっちゃうなぁ(泣)」「秋風先生がこれから出なくなるのが一番悲しい」など、惜別の声が続出。「「秋風先生の親心に朝から号泣です」「秋風先生のサングラスを外した目が真っ赤なのがもうたまらん…。とうとう涙腺決壊」「秋風先生の優しさと、引導を渡さなければならないつらさ、鳥たちが巣立った寂しさ。秋風先生に泣いた」など、もらい泣きの声が相次いだ。
「『漫画をもう辞めたらいいと思います』とサングラスの奥で泣きながら言ってあげた秋風先生。それはスズメを才能の呪いから解放してあげると同時に、最後の子どもが手を離れてゆく瞬間でもあったのよね。秋風先生にとっても、手放しがたい9年間だったのだろうな」
「漫画家を引退した鈴愛がユーコやボクテと一緒に晴れた『空』の下で解放感に浸っていることより、秋風先生の心に『空』いた穴の大きさや喪失感の方に私は目が行く。最初は人間嫌いだったのに、大切な弟子たちがいなくなることが嫌だと思うまでに秋風先生自身が変化していたのだ」などの書き込みも見られた。
秋風はドラマ前半を牽引した人気キャラクター。鈴愛が差し入れた岐阜の郷土料理「五平餅」を食べ「うんま(うまい)!これは真実の食べ物だ」(第24話、4月28日)と第一声を発するなど序盤は“変人”ぶりやコミカルさが際立ったが、終盤は結婚が決まったユーコに「ここ(オフィス・ティンカーベルと秋風ハウス)から送らせてほしい。
ここからお嫁に行けばいい」(第70話、6月21日)と親心も。豊川が硬軟自在に演じ、視聴者の笑いと涙を誘った。
豊川と脚本の北川悦吏子氏(56)はドラマ史に残る名作、TBS「愛していると言ってくれ」(1995年7月クール)を生んだ戦友。2人のタッグはTBS「Love Story」(2001年4月クール)以来17年ぶり。
制作統括の勝田夏子チーフプロデューサーは「たぶん北川さんとしては豊川さんに決まろうが決まるまいが、豊川さんをイメージしながら脚本を書き始めていたと思います。鈴愛にガーッと言われてシュンとしちゃったり、秋風は漫画は天才ですが、性格的には子供みたいなところがありますよね。秋風は欠点もいっぱい持っていて、弟子と同じ土俵でやり合っちゃったり。
そこがチャーミングに見えつつ、師匠としての重みもあるというのが秋風の存在の仕方。それは、北川さんの豊川さんに対する絶大な信頼があってこそ描ける振れ幅なんだと思います」と“究極のアテ書き”だと説明。
「振り切れたコミカルさと鈴愛の師匠としての揺るぎない説得力。その両方を大きな振れ幅で持ち、矛盾なく存在している秋風という役は豊川さんじゃないと無理だったと思います。これを成立させるのが豊川さんの凄さ。そのことに尽きます」と絶賛している。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180704-00000064-spnannex-ent
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