事務所がアイドルを従属させる構図、弁護団指摘
そこで11日の会見では、遺族に佐々木氏のこの見解をそのままぶつけた。母・幸栄さんの答えはこうだ。「萌景と学生ではないメンバーは、平日にも地産地消関連などのイベントがあればこなしていました。レッスンもあり、萌景にとって自由な時間は日常すごく限られていた。普通の学生が帰ってくるのは夕方ですから、友達と遊ぶのもそれから。
遅い時間になるので、私は何度となく注意しました。そして事務所のスタッフさんにも相談したことはあります。家に帰りたくないというより、遊びたい気持ちがすごく強かったのだと思います」
萌景さんが「家に帰りたくない」という言葉を実際に発していたとしても、その真意がどこにあるのかは本人でない限りわからない。
友達と遊んでいたい一心でそう話していたとしても、不思議ではない。ただ佐々木氏からすればやはり、「家が嫌だから家に帰りたくない」という見解になる。
また、会見に同席した弁護団は、その場で幸栄さんの説明を補足した。
「アイドルの事件全般に通じる部分がありますが、家族にも相談できなかったり、仕事の拘束時間も非常に長いなかで、(事務所側が)自分たちしか頼る人がいないんだという状況、
信頼関係というか人間関係を構築させることで、自分たちに従属させていく。そういうことを意図してやっている事務所さんや社長さんもいるので、一般的なところであり得る話なのかなと思います」
だからこそ、高校の学費を貸してくれる約束を事務所側が撤回したことが、萌景さんにとってより大きな反動、裏切りに受け止められたのだという。さらに弁護団は続けた。
「愛の葉Girlsの売り上げは、萌景さんがメンバー中、一番だった。社長としては個人的な愛情だけではなく、事務所を運営していく、売り上げていく観点からも、萌景さんをつなぎとめたい動機となったかな、というのは認定されると思います」と説明した。
「家に帰りたくない」の真意 遺族、佐々木氏真っ向対立
幸栄さんらの会見での答えを踏まえ、会見終了後に再び佐々木氏に話を聞いた。「萌景からは日々の悩みも聞いていたんです。特に家に帰ったときのこと。プライバシーに踏み込むことになるので具体的には言えませんが、お義父さんとの間に、家に帰りたくない理由があったわけです」
あくまで萌景さんと家庭がうまく行っていなかったと強調する。すでにいろいろなところで報じられているが、萌景さんの両親は離婚している。母親の幸栄さんが子どもたちを引き取り、新しい父親と同居することになった。確かに、いろいろと感情的にも複雑な事情が生じる可能性はあるだろう。
しかし幸栄さんに、萌景さんとお義父さんとの関係について聞くと、次のような答えが返ってきた。
「お義父さんと折り合いが悪かったとは言えません。萌景が中学で登校拒否をした時、お義父さんが学校に行くよう強く言って以来、気持ちがぶつかり合ってしまうことはありました。
でも、そもそも愛の葉に入ることも萌景とお義父さんが話して決めたことなんです。中学にもちゃんと行くという約束をして」
お義父さんとぶつかったという内容についても具体的に聞いてみたが、幸栄さんの口からは、どの家庭でも考えられる範囲を逸脱するような話は出てこなかった。
幸栄さんは自動車免許を持っていないこともあり、愛の葉関連のイベント時、萌景さんの送迎は当初、朝早く夜遅く、お義父さんがしていたのだという。ただ、「迎えにきて」と連絡があって迎えに行くと3時間待たされたこともあり、予定の時間を守らない事務所にお義父さんは怒りを感じていたそうだ。
萌景さんとの良好な信頼関係をアピールする佐々木氏。当然のことながら、その主張は遺族の見解とは真っ向から対立している。いまのところは、その違いが際立つ一方という状況だ。取材を続けたい。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181018-00010002-wordleaf-ent&p=2
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