バラエティ番組ではお笑い芸人たちがひな壇を賑わせ、毎年誰かしらがブレイクするのが通例。一方で、“一発屋”にもなれずに人知れず消えていく芸人たちが多いのも現実…厳しくもあり、また飽和状態のお笑い業界。

そんな激しい競争の中、チャラ男芸人の慶や、カラテカの入江慎也のようにプチブレイクで獲得した“知名度”を武器に副業で稼ぐ芸人たちが話題となっている。彼らのような、お笑い界での“上がり”を目指さず他業へシフトする芸人たちの、人生“交差点”を探る。

■作家や映画監督…趣味を仕事にできるのは天下をとった者の“特権”だった

お笑い業界はいま“大渋滞”を起こしていると言われて久しい。ビッグ3と言われるビートたけし、明石家さんま、タモリはいまだ健在であり、その下にはとんねるず、ダウンタウン、ウッチャンナンチャンが控え、爆笑問題、さまぁ~ず、くりぃむしちゅーなどの中堅どころが第一線で活躍。さらに、その下層には吉本、松竹、人力舎といった大手芸能養成所から排出される膨大な数の新人芸人たち…。この構造は、言わば上が“詰まった状態”であると言える。そんな中、「芸人だけで食っていく時代は終わった!?」と判断したのか、副業をウリにする芸人が増加傾向にある。

かつては芸人がお笑い以外の“副業”をするのは、功成り名を遂げた芸人たちのいわば“特権”だった。ビッグ3のビートたけしは1984年、北野武名義で自らの少年時代を描いた自伝的エッセイ集『たけしくん、ハイ!』を発表し大ヒット。NHKで実写ドラマ化もされ、それまで“毒ガス”だったビートたけしの才能が社会的にも認知される契機ともなり、後の北野映画へとつながっていく。

また、ダウンタウン・松本人志も、94年に『遺書』を発表すると250万部の大ベストセラーとなり、翌年発表された『松本』(200万部)とも併せ、95年度のベストセラー1位・2位を独占。そしてこのあたりから、お笑い芸人たちが“お笑い以外”のことを手掛けても、正当に評価される時代がはじまったのである。

とは言え、芸人がお笑い以外のこと、例えば自分がオーナーとなって飲食店経営をしたり、芸術家っぽい活動に手を出すと「とうとう芸だけでは食えなくなったか?」、「気取ったことをして、もう本業は上がりか?」などと言われ、長らくマイナスイメージがあったのも事実。

■芸人だけど“安定”も欲しい!? 才能の「見切り力」も成功要因の1つに

しかし、前述のように上は詰まりっぱなし、下からは若手が輩出され続けるという閉塞感の中、もはや“一発当てる”ことさえ難しい状況。自身の芸のプラスアルファにもなる“副業”に励む芸人、あるいは自身の実力に一定の「見切り」をつけ、副業に専念することで生活の安定を求めるのは、自然の成り行きとも言える。

かつて『エンタの神様』(日本テレビ系)などでプチブレイクした“チャラ男芸人”の慶は、『エンタ』終了後は仕事が激減。しかし、趣味でもあったパチスロ関係の仕事の依頼が入りはじめ、今ではパチスロライターとして月収60~70万円を得ているという。さらに「安定感がほしい」ということで、プチブレイク時代の貯蓄をキャバクラやボーイズバーなどの開業を目指す事業主に出資。「失敗したら出資金は返ってこない」というリスクの中で出資金をすべて2年以内に回収。今では月に50万円ほどの“不労所得”もあるという。

また、芸人の副業と言えばカラテカの入江慎也も有名。かねてより合コンやナンパ活動の回数がハンパじゃなく、酒席などで拡大した友人関係のネットワークの異常な広さが知られており、『使える!人脈力「友だち5000人芸人」が実践する50の習慣』を出版するほど。最近ではその“人脈力”を買われ、企業の講演会に呼ばれたり、顧問になったりもしている。さらに「イリエコネクション」という自身の会社も設立し、今では月収280万円ほどを得ているようだ(芸人としての月収は18万円)。

■成功前に副業に走る“逆転現象”も 「漫才だけじゃ子どもを養えない…」芸人の厳しい現実

こうした例が特別かと言えばそうでもない。過去においても品川庄司・品川祐が“映画監督”をしたり、文学系で言えば麒麟・田村裕の『ホームレス中学生』、劇団ひとりの『陰日向に咲く』の大ヒット、アンジャッシュ・渡部建も“食レポ”本で名を上げるなど、枚挙に暇がない。彼らはある程度の知名度を獲得してからの副業活動ではあるが、中堅どころでも“芸人+α”の能力が成功への道筋となっている。

DJ業でも活躍するお笑いコンビ・ダイノジの大谷ノブ彦も、かつて自身が担当するネット配信番組『よしログ』で「芸人だけの仕事、いわゆる地方の営業、劇場の漫才だけじゃ多分俺たち、ぶっちゃけ子どもを養えない…ギリギリアウトかな?」と赤裸々に告白。

その解決策として「サッカーに詳しい芸人とか、スポーツコンテンツで、そこが一番仕事ある人がどんどん増えてきてる。俺はそれで全然いいと思う。漫才続けることを目的にしたら、(兼業を)選んでいくのはアリだと思う」と、“芸人+α”を推奨している。

芸人一筋の生き方にこだわるのも“美学”だが、芸人渋滞が起きている昨今、トップに昇り詰めることに「見切り」をつけ、安定した副業・副収入を得ることで好きなお笑いを続ける…そんな安定志向もひとつの生き方なのだ。

実際、副業が話題になってTV番組に呼ばれるという逆転現象=相乗効果も起きている。今やそれくらいの柔軟性とフットワークを持ち合わせていなければ、お笑い界では生き残れない時代。“働き方改革”が叫ばれている昨今、現代社会に生きる我々にとっても、決して無関係な話ではないのかもしれない。


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みんなのコメント

 

名無しさん
カラテカの入江って面白いトークより自慢話しか聞いたことない。
名無しさん
カラテカ入江はすごいな。社会を生き抜く才能があって抜けていると思う。
名無しさん
こいつ嫌い
名無しさん
別にいいのでは
芸人であるまえに人間だし家庭もある
むしろ色々才能があることは羨ましい
名無しさん
入江よりロバートの馬場でしょう、思い付きで書かないでよく調べてから書こうな。
長文の偏屈おじさん
彼の副業はBlackに近いから微妙だよ。
名無しさん
カラテカ入江は兼業しないと駄目な位つまらない。
名無しさん
副業に知名度は必要ですからね。
投資とかは別として
名無しさん
芸人ってそれなりに出てないと一般人並みの収入すらもらえないから必要かもね
名無しさん
ワシもメシ時に紹介されて来よったけどなこの手のゴマすりの胡散臭いヤツは苦手やわ。
名無しさん
入江好きになれんわ
人と人の縁を人脈言う神経が理解できん
人から言われるのは人脈で良いだろうけど自分で人脈言うヤツは無理
名無しさん
芸人が副業になってない?
名無しさん
お笑いがつまらなくて人気が無いとしても、副業で成功してるなら、その人は立派。知名度ある人がYouTuberになった所で、職業YouTuberに勝てないのだから。
名無しさん
コミュ能力は高いんだろうと思いますが、こういう人は信用してはいけない。この人にとって利益が低ければ、本当に困った時に助けてくれなさそう。この人と印象が被る上司にいて、頼れるいい人そうだったのに、自分の非を隠すためにフォローしてくれなかったことがあります。
拉麺定食マン
>お笑い業界はいま“大渋滞”を起こしていると言われて久しい。
世の中全てがそんな感じがする…。
名無しさん
別に良いでしょ?
所属してる事務所が有るならそことの契約違反でない限り、芸能人の副業禁止なんて法律で定められてる訳でもないし。
この人は芸人の方が副業でしょ?
厚切りジェイソンだってそうジャン。


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名無しさん
変なのばかり売れるね
名無しさん
お笑い芸人ってのはお客さんの心をつかむ仕事なんだから、どうやればお客さんが喜ぶか、それがわかってるならどんな商売でもうまくいくと思うよ。お笑いがうまくいかなかったから副業を…ということであれば失敗するのは目に見えてるけどね。
Mr.bigfoot
最近吉本の若手に多いYouTuber芸人なんかもそうですよね
はいじぃ、鈴川絢子、ぶちかまし(ドンタダ・シュラム他)等々
名無しさん
お笑い界に限らず、どこの世界も上がなかなか抜けないからつっかえてる感がありますね。とっとと引退してくれって誰もが思ってるんですけどね。
名無しさん
芸人だけじゃ無い、一般人も子供を養う為に
しゃかりきにバイト副業。でもお金が足りな
い。生きてるだけで借金が増える。最近納税
の為に生きている感じで心が痛い毎日です。
名無しさん
二足のわらじでも三足のわらじでも、履ける人は何足でも履いたらいいじゃないの。
名無しさん
別にいいけどお笑いだけでいけないらやめたらええやん。
別の才能あるだろ。
名無しさん
逆に芸人として月18万も収入があるのね入江
ぜんぜん面白くないけど
名無しさん
中堅どころが多すぎるとは感じる
紳助が危惧していたのはこういう状況ではないだろうか
確かに変なタレント使うよりは芸人使った方が場が回るからディレクター的には使いやすいんだろうけど、妙な予定調和が生まれてしまって真新しさは感じない
こうした状況が続くと徐々にではあるが慢性的に視聴者は減少していくと思う
えびせん
全然いいと思うけど、あんまり面白い人は居ない。
名無しさん
他人の靴を舐めまくって日銭をかせぐ入江の生き方は好きじゃない。
sdfghi
これは芸人に限らず、アイドルや俳優
一般社会でもそうなってる
今までのそれ一筋にが美徳みたいなのも違うかなと
特に先行き不明なアイドルなんかは将来考えて行動する人と楽観的なのが別れ始めた
名無しさん
お笑いの方じゃなくて、もはや副業の方が本業となっている人たちもいるような。芸の肥やしもなにも…。
名無しさん
悪くは無いと思うけど、兼業するほどの器用さはきちんと見せて欲しいよね。どっちも中途半端ってのはどうかと思う。ましてや見てもらう商売してんのに。
名無しさん
アフィリエイト広告で爆死した芸能人もいますけどね
名無しさん
副業を当たり前にしたい国の戦略に乗っかろうとしている記事ですね。
まあでも副業はした方がいいと思います。
昔みたいに終身雇用は終わったんだし
やりたい事に色々と手を出してみたらいいと思う。
meek
チャラ男、慶って知らないなぁ
通りすがり
芸人という一括りが、古い時代のお笑いが好きな自分としてはちょっとい違和感があります。
古い時代はいわゆる漫才が基本にあって、漫才が面白い、コントが面白いなどのプロの技としてお笑い芸人をしている人が多かったし、才能のある人がたくさんいたように思います。
いまの芸人を称している人は、宴会芸をテレビ等で披露しているような面白くもなんともない人たちがいっぱいいるってイメージです。
上が詰まっているんじゃなくて、上で残っている人たちはプロとして才能のある人たちばかり。そこに食い込んでいくほどの才能と貪欲さが足りないんじゃないの?
名無しさん
「渋滞」の理論は同意できない。会社組織ではないのだから売れればいくらでも(何人でも)上に行ける。
ycbig
かつての副業という呼び方より、
今は複数の本業という方がしっくり来る。
「副」のスタンスのままだと、成功は遠いよ。
名無しさん
副業というか、収入からすると正業なんだろうけども。
芸人としての価値は面白いかどうか、このウェイトが非常に大きいかと。
名無しさん
big3が辞めない限りとかお笑い芸人の中では
囁かれてるけど、その人達が退いてひな壇芸人が
天下獲れるとは思えないけど・・・
どどどみんど
こういうの熱く語るお仕事ならまだいいけど
観る側にはどうでもいいと思う
自分の人生が退屈だから熱中してるんでしょ
もっとほかにやることあるよね
名無しさん
職を転々とする奴らよりも、よっぽど良いと思う。

 


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