「困ったら、とりあえず笑っといてくださいね」。これを枕詞に自身の盲目にまつわるネタを、自虐を交えながらしゃべり倒した漫談家・濱田祐太郎(28)が、毎年恒例の“ひとり芸日本一”を決める『R-1ぐらんぷり2018』の王者に輝いた。サポートの男性の肩を借りながら、優勝会見場に現れた濱田は「ちょっと、まだ信じられないですね」とうまく状況が飲み込めていない様子だった。

左目は全く見えず、右目も明るさがわかる程度であるという濱田は、昨年10月に行われた『平成29年度 NHK新人お笑い大賞』の決勝にも駒を進めるなど、着実に頭角を現してきており、今大会でも活躍を期待されていた。決勝進出直後に、その点を踏まえて「今回は、勢いのある中での『R-1』決勝の舞台となりますが?」と向けてみると、ハッキリとした口調でこう答えた「勢いっていう意味ではあるとは思うんですけど、僕にとっては『R-1』が一番思い入れが深い大会なので、全然違うものという感じですね」。

中学生の頃からお笑い芸人を志していたという濱田だが、特に憧れたのはビッキーズとハリガネロックのしゃべくり漫才。2012年にはアマチュアながら『R-1』予選の舞台に飛び込み、見事に準決勝まで進出。同年にはNSC(吉本総合芸能学院)大阪校35期生として入学。そこで脅威となったのが、今回のファイナルステージに上がってきたゆりやんレトリィバァだった。「ゆりやんは優等生のクラスで、僕は優秀じゃない方でした。別格で上の存在でした」。

そんな濱田だが、なぜ“漫談”にこだわって活動を続けてくることができたのか。優勝が決まった後に改めて個別取材を行い、その支えになったものを聞いてみた。「それはたぶん、アマチュアの時の自分ですね。2012年に『R-1』出て、準決勝までいってしまったので、プロになってからその自分を越えられないっていうのはどういうことやねんっていうのはあったので、とりあえずはその自分を越えていくまで、受け続けないとっていうのはありました。あとは、舞台でお客さんが笑ってくれていたのはうれしかったですね」。

ハリウッドザコシショウ(第14回)、アキラ100%(第15回)と直近の2大会は、見た目のインパクトも強烈な“裸芸人”が続いた中、しゃべくり漫談での優勝。「漫談でここまでこられたのは本当にうれしい。楽しんでやれた結果、今回優勝という結果をいただいたと思っています。視覚障害者としてではなくて、漫談家として優勝することができたのがうれしいです」と言葉に力を込めながら「来年に向けて挑戦していける気持ちを仕上げていけたらなと。今回の決勝で噛んでしまって、不完全燃焼みたいな気持ちもあるので、自分が満足できるしゃべりを追求したい」と早くも連覇に向けての抱負を語った。

仕事のオファーも殺到し、優勝特需に沸く中、優勝会見で報道陣から「今、出たい番組は?」と聞かれると「いいですか、今からボケますよ」と前置きしながら「日本テレビの『24時間テレビ』のチャリティーマラソンとかやってみたいですね。目が見えないので、コースとは逆の方に走っていったりしたら、いいんじゃないですかね。それに、僕が募金箱持っていたら、けっこう集まると思いますよ」とニンマリ。トーク番組を中心に出演したいと語る濱田だが、今大会に敗者復活から上がってきた霜降り明星・せいやがMVSを獲得した『人志松本のすべらない話』出演への意欲を聞くと、すかさず切り返した。

「呼んでいただけるなら…っていうのはあるんですけど、松本さんって“浜田”という名字の人はみんな嫌いなんじゃないかなっていう不安はありますね。でも、呼んでいただけたらうれしいです」。決勝でのネタ2本、優勝後の会見、そして個別取材という怒とうのスケジュールで疲れきっているだろう中、常に芸人らしく答えを投げ返してくる姿は見事というほかなかった。

漫談家にとって必要となってくる“語彙力”はどうやって身につけていったのかを聞くと「テレビのバラエティー番組が好きで、音は聞こえるので、トークとか会話のやりとりが好きだったので、そこからじゃないかなと思いますけど。それがこういうのをネタに使おうと思ってネタにしたことはないんですけど、自然と反映していたと思います」とあっさり。『R-1』決勝の舞台にくるまでの努力はかなりのものだったと想像するが、芸人としてそういった部分は多くを語らない。

ところで、冒頭で言及した優勝会見で濱田のサポートをしていた男性は、先月12日の決勝進出者会見でもとなりにいた。今回の個別取材の場にも帯同し、写真撮影で笑顔が上手く作れない濱田に「笑顔! 芸人やろ」と笑いながら手厳しくツッコミを入れる、その男性が気になったので、濱田に聞いてみた。「ゆりやんと同じで、僕と同期の芸人です。NSC卒業直前くらいから5年ちょっとくらい一緒にいて、サポートをかなりしてもらっています。でも、芸の方向性はかなり違いますから、相方ではないです(笑)」。その男性にも話を向けてみた。

「溝口幸雄と言います。今回の『R-1』では『お互い同期対決やな』って、ゆりやんにも言っていっていたんですけど、オレは決勝に残ってないっていう(笑)。濱田とは、よく一緒にいるので『コンビじゃないの?』と聞かれるんですけど、絶対一緒には組まないです(笑)。僕は今回の『R-1』決勝で、これは優勝までいくやろうなっていうのは、最終決戦で3人に絞られた時に思いましたね。ウケもよかったし、良かったです」。こう語る“相棒”の横で濱田が照れくさそうに「いつ、今の関係が逆転されるかと思うとビクビクしています」とにっこり。溝口もすかさず「絶対、思ってへんやろ」と笑いながらツッコミを入れた。

しゃべりへの自信、それを支えた影の努力、そして頼れる同期の存在…今回、勝つべくして勝った濱田祐太郎が、これから“しゃべり”でお笑い界の中心に躍り出ていく。


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ケロリン
付き添いのピンクのジャンバーの人が、立ち位置まで連れて行った後、ポンと濱田さんを叩いた姿に、本当の気遣いと心を感じました。
紺野ブルマを褒める人が多いけれど、
私はあれは、アナウンサーの声とかぶるし、過剰だったと思う。
彼女は、あの瞬間、R-1の舞台を、成績を残す場から好感度を上げる場に意図的にシフトチェンジしたように見えた。
ちなみに、文枝は論外。
名無しさん
トークが上手いからすべらない話出てほしい
名無しさん
まるで見えてるみたいでした。目が不自由な方々あるあるでその方々は日頃ツッコミたい所がたくさんあったんだね。
Jan.Hirozi
自虐ネタで食ってるのはわかるが、これって障害者に対する侮辱でもある。
観客も爆笑してたが、あまりいい気がしないね…
( ̄~ ̄;)
sima
判官贔屓ではなく、単純にネタが面白い!どうかこのままネタで勝負していって下さい。間違ってもひな壇だかナニ壇だか分からない、ただうるさいだけの芸人にならないで。
しょう?もない番組のしょうもないひな壇ヤローども、彼を一発屋に仕立て上げないでくれよ!稀有な存在に注目だ。
名無しさん
ゆりやんとか家族全員シラーっとしてたけどなぁ。
あれが別格とか言われても‥
でもその別格に漫談で勝ったんだから濱田さんも凄いんですよ!頑張って下さい
名無しさん
ゆりやんはおもろない
名無しさん
見てないけど、コメントが鋭くて、優しそう、生い立ちにも興味が湧いたので見たくなった。録画したら良かった。
名無しさん
なんかいや!
名無しさん
面白かった。
久々に漫談で笑った。
今後のネタが大変だと思いますが頑張ってください。
他の決勝進出二人は笑うとこなかった。
つまらん。
名無しさん
すでに24時間テレビを小馬鹿にしているところからも期待できる。松本がハマダという苗字を嫌うくだりがまた良い。目が見えないのに凄いねーなんて上から目線で感動ポルノを作ろうと群がってくるヤカラを叩き潰してほしい。
名無しさん
しゃべくり上手いよなぁ。
その後の取材のコメントも秀逸だよ。
名無しさん
バラエティ番組でもトーク番組でもこれを機にじゃんじゃん出て欲しい。障がい者に対し笑ってはいけないと言う日本の昔からのグレーゾーンというか難しい部分を切り開いてくれる一任者になって欲しい!誰でも平等に喋れて笑えてそういう心のバリアフリーも今後の時代では必要。心ないネットやどっかの保護団体みたいに差別化してるとか嘲笑ってるとかいうバッシングは無視して頑張って!!
名無しさん
ほぼ全盲とか全盲とかいらないわ
名無しさん
すぐに飽きられると思った。
名無しさん
まだまだ障害者のお笑い芸人は一般には浸透していないと思うが、新たな活躍の場のパイオニアとしてがんばって欲しい。世論によるミゼットプロレス衰退の轍を踏まないよう願う。


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名無しさん
相手の顔が見えないから、聴覚が頼りだな、それにしても、優勝とは凄い!! 実力派なんだな、テレビは見ていなかった、賞金はいくらだったのかな? 今後の活躍を期待します。
バカ猫
名前長いから「はまゆう」にしたらどう?ひらがなでかわいいし
名無しさん
目が見えないって
信じられなかった
杖もネタのアイテムかと思うほどの
しゃべりで引き込まれました!
久しぶりの正統派でしたね!
名無しさん
一番面白かった。
これからバラエティーに出て喋り倒して欲しい。
落語にも向いてると思うし、講演とか仕事いっぱい来そう。活躍を期待してます。
名無しさん
自虐的ネタ以外でどのくらい笑いがとれるか、見てみたいですね。なかなか難しい世界ですが、頑張っていただきたい。
名無しさん
盲目とか関係なく、頭はいいんだろうけどなんか面白くない。
いじられてなんぼの世界で大丈夫か?
名無しさん
顔もまぁまぁ男前で、妻夫木聡に似てて良いんじゃないでしょうか。
名無しさん
手話のネタ面白かったな?!
名無しさん
ゆりあんは、ネタの当たりハズレが大きすぎる。意味がわからん世界観の笑いも良いけど、意味を持つしゃべくり漫談に引き込まれたし、安心したし、自然に笑ってた。頑張ってほしい!
名無しさん
最近のM1はキワモノとゆうか、キャラメインのコントのような1人芸が多かったがシンプルな正統派の漫談が新鮮だった。
正直、障害者とゆうゲタを履かせてもらっての優勝って感じもしたが、彼が放つ独特のオーラ、しゃべくり、ネタに引き込まれた。
自虐ネタだけだと厳しいかも…これけらの活躍を期待してる、応援してます。
名無しさん
この人、落語家になるべき。
名無しさん
芸風的に落語を勉強して笑点とか出るようになったら面白そう!
頑張ってほしい!
名無しさん
いや悪いけど全く笑えない、
テレビに出て欲しくない。
ハゲの人にハゲ!って突っ込めるけど、
盲目の人に目見えへんやん!とは突っ込めない。
偏見になるのかもしれないが、
そう思ってしまってます。
名無しさん
おめでとうございます
ミゼットレスリングみたいなことになりませんように
君煮大好き
佐村河内みたいに全盲詐欺じゃねえだろうな?
ほぼ全盲って表現が気になる。視力0.1くらいはあるんじゃね?
名無しさん
面白かったし、なかなかのイケメン。応援します。
名無しさん
すごいなあ。
これからも活躍期待します。
名無しさん
R-1グランプリ初めて最後まで見たけど泣きそうになった
名無しさん
ブラインドネタというワンノブゼムを、卓越した話術で笑いに変えたという印象で、圧勝だったと感じています。
アメトーークさん、そろそろ行きましょうよ「障害者芸人」。死ぬほど笑かしてください。
名無しさん
普通に面白かったw
この場合自虐ネタだけど障害の有無関係無しで面白かった。と言う意味と他が酷かったと言う意味で
名無しさん
顔の表情をもっと豊かにしてくれたら、もっと面白くなると思う!!
だから見えないから無理だって!って突っ込まれるかな?
でもそう思った!!
名無しさん
この先が見たい!今後が気になる芸人さんですね。
そこが他の優勝者と違うなぁ。
人柄含めて、色んなネタで優しい笑いを見せて欲しいです。
名無しさん
出て来たとたんに「あれ、拍手ないですね?拍手して下さいよ」が痛かった。まだひとつも喋ってないのに。
目の見えない私が出て来たんですよ「それだけで」拍手して下さい、と言われたようで。
あれさえ無ければ、そして2本目は全然違う話だったらなあ、と思いました。
momororo
24時間テレビのマラソンランナー候補になるんだろうな。

 


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